米国の連邦補助道路事業で、鋼製ボルトは「製造品」ではない:単独で現場に届く全鋼製ボルトは定義上「鉄鋼製品」に当たり、原則としてめっきなどの被覆処理を含むすべての製造工程を米国で行う必要がある。2026 年 10 月以降に補助が確定した事業で、国産部品 55% 要件が対象とするのは別のもの
2026 年 10 月 1 日以降に連邦補助が確定した(obligation。FHWA が連邦資金の支出義務を負ったことを指し、以下「確定」と書きます)米国の道路事業では、「製造品」に二つ目の要件が加わりました。米国で製造されていることに加え、米国で生産された部品のコストが全部品コストの 55% を超えなければなりません。この日付は「米国の道路事業は国産 55%」と一言にまとめられがちです。しかしボルト一本について言えば、55% はふつう適用される条文ではありません。米連邦道路庁(FHWA)の Buy America 規則 23 CFR 635.410 は、現場に届くものをまず分類します。単独で現場に届く全鋼製のボルトは、当サイトが定義を当てはめる限り「鉄鋼製品」に当たり、原則として適用されるのは以前からある、製造工程の一つひとつに及ぶ要件、つまり被覆処理を含むすべての製造工程を米国で行うことです。この記事では、この規則が台湾製のボルトにとって何を意味するかを見ます。順に、分類の仕方、鉄鋼製品の条文が何を求めるか、少量の外国鉄鋼の枠の計算、製造品の二つの適用開始日、ボルトが製造品に組み込まれたときの扱い、最後にこれらの文書が答えていないことを扱います。読了まで約 11 分です。
まず分類しないと、ボルトにどの条文が当たるか分からない
この規則の根拠は合衆国法典第 23 編第 313 条で、第 23 編の資金で補助される事業(Federal-aid projects)は米国で生産された鋼、鉄、製造品だけを使うよう定めています。FHWA の施行規則 23 CFR 635.410 は 1983 年に定められ、 2025 年 1 月 14 日に公示された最終規則(90 FR 2932)で大きく書き換えられました。当初の施行日は 2025 年 3 月 17 日でしたが、90 FR 11139 で 3 月 20 日に延期されています。当サイトが 2026 年 10 月 15 日に eCFR の版の記録を確認したところ、635.410 のこの節の最後の版の日付は 2025 年 3 月 20 日でした(Title 23 のデータは 2026 年 10 月 13 日時点)。
改正後の 635.410(c)(2) は、まず一つの決まりを置いています。一つの品目は一つの区分、つまり鉄鋼製品、製造品、または法律や 2 CFR 184 が定めるほかの区分(建設資材など)のどれか一つにだけ入り、二つの特例を除いて複数の区分には入りません。どの区分にも入らない品目もあります。どの区分に入るかは、現場に届き、事業に組み込まれようとする時点の状態で決めます。 区分が要件を決めるので、二つの定義を先に見ます。
- 鉄鋼製品(iron or steel products):全部または主に鉄・鋼でできている品目。「主に」はコストの概念で、鉄と鋼の含有分のコストが全部品コストの 50% を超えることを指します。鉄鋼のコストとは、製造に使った鉄鋼の素材(棒、ビレット、スラブ、線材、厚板、薄板)、鋳物、鍛造品のコストに、鉄鋼部品のコストの誠実な見積もりを加えたものです。
- 製造品(manufactured products):特定の形状に加工されたもの、またはほかの品目と組み合わされて個々の材料とは性質の異なる製品になったもの。ただし、鉄鋼製品、除外材料(セメント、骨材など)、2 CFR 184 などが定めるほかの区分に入りうる品目は、製造品ではありません。
最終規則の前文は、製造品の定義を二段階に分けています。第一段階では形状への加工や新しい性質を生む組合せがあるかを見て、第二段階でほかの区分に入るものを外します。前文が挙げる例は車両で、鉄鋼のコストが高く鉄鋼製品に分類すべき車両は、鉄鋼の条文だけが適用されます。 例えば線材を圧造し、ねじを転造してつくる鋼製ボルトは、第一段階では製造品に見えます。第二段階で、材料がすべて鋼なので製造品から外れ、鉄鋼製品になります。 ただし、2025 年の最終規則とこの記事で使った FHWA の三つの Q&A は、ボルトやファスナーの分類を直接示していません(後で引くロサンゼルス港の免除公示には球面ナットが挙がっていますが、免除品目であって分類の説明ではありません)。この分類は当サイトが定義から導いたもので、対象は単独で納入する全鋼製品です。ナイロンリング付きのナットや樹脂ワッシャ付きの組合せ品は、鉄鋼のコストが半分を超えるかを実際のコストで確かめる必要があります。
| 区分 | 要件 | ボルトがここに入るとき |
|---|---|---|
| 鉄鋼製品 | 635.410(b):原則として被覆処理を含むすべての製造工程を米国で。少量の外国鉄鋼の上限は契約額の 0.1% か 2,500 ドルの大きいほう | 単独で現場に届く全鋼製(炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼)のボルト、ナット、ワッシャ |
| 製造品 | 635.410(c):2025-10-01 以降に確定した事業は米国で製造。2026-10-01 以降は国産部品のコストが 55% 超も必要 | 単独で納入する全鋼製ボルトは入らない。製造品の直接部品やキットの部品にはなりうる |
| 建設資材(2 CFR 184 による) | FHWA は建設資材に Build America, Buy America Act(BABA)の要件を適用。2 CFR 184.6(a)(1) により、非鉄金属は最初の製錬または溶解から最終成形、被覆処理、組立まで米国で | 単独で納入し、建設資材の定義を満たすアルミニウム、銅合金など非鉄金属のファスナー(当サイトが定義から推論) |
鉄鋼製品の条文:すべての製造工程を米国で、被覆処理も含む
ボルトが鉄鋼製品に入ると、満たすべきは 635.410(b)(1)(ii) です。鉄鋼製品を使う場合、「被覆(coating)の施工を含むすべての製造工程は米国で行われなければならない」(all manufacturing processes, including application of a coating, for these materials must occur in the United States)。 条文は続けて被覆を定義していて、材料を保護し、またはその価値を高める処理はすべて被覆処理に当たります。FHWA の連邦補助事業 Buy America Q&A(以下、一般 Q&A)の第 14 問は経緯を補っています。1991 年の陸上交通法(ISTEA)第 1041(a) 条が被覆の施工を Buy America の対象と明記し、1993 年に規則に入りました。対象は被覆を施す工程で、被覆材料そのものは対象外です。例として挙がっているのはエポキシ塗装、亜鉛めっき、塗装です。 つまり溶融亜鉛めっきの工程は米国で行う必要がありますが、亜鉛地金の出どころはこの条文の対象ではありません。
鋼をどこで溶製するかについて、条文自体には「溶解」という語がありません。一般 Q&A 第 13 問によれば、製鋼の原料は輸入してよいものの、鋼製品をつくるすべての製造工程は、添加物の投入や被覆の施工も含めて米国で行う必要があり、対象外なのは鉄鉱石、石灰石、廃材(スクラップ)のような原料です。 もう一つの文書はさらに直接的です。行政管理予算局(OMB)が BABA のために定めた 2 CFR 184.3 は、鉄鋼製品の「米国で生産」を「最初の溶解から被覆の施工まで」のすべての製造工程が米国で行われたことと定義しています。FHWA は最終規則の前文で、635.410(b)(1)(ii) の文言は 2 CFR 184.3 とほぼ同じ(substantially mirrors)だと述べています。 当サイトはこれらから、米国外で溶製された線材でつくり、単独で納入する鋼製ボルトは (b)(1)(ii) の国内製造工程要件を満たさないと推論しています(少量使用の枠と免除は別の問題です)。
逆に、米国で溶製した鋼を使っても通るとは限りません。一般 Q&A 第 30 問によれば、国産の鋼製品が国外で加工(fabrication)されると、全体が外国鋼になります。第 47 問は、国産鋼を単に物理的な組立のために国外へ送るのは影響しないものの、曲げ、押出し、穴あけ、被覆などの製造工程が一つでも国外で行われれば、できたものは外国製品になるとしています。 二つの仮定の流れで見ます(どちらも仮定で、条文と Q&A にボルトの例はありません)。甲:米国で溶製した線材を台湾に送り、圧造、転造、熱処理をして、米国に戻してから亜鉛めっき。乙:台湾の線材から台湾でボルトをつくり、米国に送ってから溶融亜鉛めっき。 第 30 問と第 47 問の考え方では、どちらも米国外で製造工程が行われているので (b)(1)(ii) を満たしません。乙の米国でのめっきも、それ以前の工程を取り戻せません。少量使用の枠を計算するときも、一般 Q&A 第 29 問は、外国鋼に米国で施した加工のコストを外国鋼の価値に含めないとしています(その加工コストは明確に記録します)。
証明の仕方も工程に沿っています。一般 Q&A 第 40 問によれば、鉄鋼製品と製造品は事業に恒久的に組み込まれる前に国産の証明が必要です。第 41 問が鉄鋼製品について説明する「段階証明」(step certification)は、関わる各者(供給者、加工業者、製造者、処理業者など)がそれぞれ自分の工程が米国で行われたことを証明する仕組みです。 これは当サイトで扱ったミルシートとは別のものです。ミルシートにはその溶鋼の成分と溶製元が載っていることがあり、線材がよそから来ているので、原産地が問題になるを参照してください。ここで求められるのは、各工程が行われた場所です。 貿易協定もこの点を変えません。一般 Q&A 第 36 問は、米国・メキシコ・カナダ協定は連邦の財政援助を対象から外し、WTO 政府調達協定とほとんどの自由貿易協定も道路と公共交通の事業を対象から外していると書いています。
少量の外国鉄鋼の枠:契約額の 0.1% か 2,500 ドルの大きいほう
これだけ厳しいと、多少の余地は必要になります。635.410(b)(4) は外国の鉄鋼製品の少量使用を認めています。コストが契約総額の 0.1% か 2,500 ドルのいずれか大きいほうを超えないことが条件で、コストはその鉄鋼製品が現場に届いた時点の価値です。 一般 Q&A 第 28 問によれば、この価値には材料費と現場までの運賃(納品書で示すもの)が入り、最終組立の人件費は入りません。
二つの基準は契約額 250 万ドルで交わります(当サイトの換算)。仮に契約額が 1,000 万ドルなら 0.1% は 1 万ドルで 2,500 ドルより大きく、枠は 1 万ドルです。仮に 150 万ドルなら 0.1% は 1,500 ドルしかなく、枠は 2,500 ドルになります。 さらに、その 150 万ドルの契約で、外国製ボルト一回分の納入について、材料費と運賃から、明確に記録された米国内の加工コストを除いた算入額が 3,000 ドルだったと仮定すると、その一回だけで枠を超えます。 枠は契約全体で共有します。一般 Q&A 第 16 問は分割して数えることを認めず、施工の進行に合わせて外国鉄鋼の累計を追うよう求めています。第 31 問によれば契約総額は設計変更を含む最終額で、基準を超えたときは不適合の鉄鋼製品すべてについて免除を申請し、取得しなければなりません。 鉄鋼製品に鉄鋼以外の部品が含まれる場合、製造品 Q&A の第 3 問は、そのうち外国鉄鋼のコストだけを数えるとしています。
(b) にはほかに二つの道があり、どちらも補助の受領者(多くは州の交通局)の側にあります。(b)(2) は、受領者が本条と同等以上の国産要件を定めた自らの標準契約条項を使うことを認めています。(b)(3) は代替入札で、すべての入札者に国産鉄鋼を使う価格を出させ、国産での最低価格の入札者に契約を与えます。ただし、それが外国鉄鋼を使う最低総額より 25% を超えて高い場合は別です。 一般 Q&A 第 48 問は、比べるのは入札の総額で、双方の鉄鋼の金額ではないと強調しています。
次に免除です。法律の 313(b) は、公共の利益に反する場合や、米国で十分な量の、合理的に入手でき品質も満足できる製品が生産されていない場合に免除を認めています。一般 Q&A 第 3 問と第 20 問によれば、事業ごとの免除は補助の受領者が申請し、承認されてもその事業だけに適用され、ほかの事業には転用できません。FHWA は全国や地域を対象とする免除を出すこともできます(第 4〜7 問)。 ファスナーに近い例があります。ロサンゼルス港は鉄道をまたぐ歩道橋のために免除を申請しました。対象はフルロックドコイルの炭素鋼ケーブル(fully locked coil carbon steel cables)と指定の付属品で、亜鉛めっきの球面ナットも含まれます(公示は galvanized とだけ書き、溶融亜鉛めっきかどうかは示していません)。港の申請は 2024 年 12 月 5 日、FHWA がウェブサイトで意見募集を公示したのは 2025 年 8 月 29 日で、91 FR 5550 が 2026 年 2 月 6 日に公示され、免除は翌日発効しました。対象はその橋の事業、港とその各段階の請負業者、申請に挙げた品目に限られます。 申請から発効まで、この一件は約 14 か月かかりました。 このほか、運輸省の 2023 年の小規模補助免除により、同じ事業の補助と再補助を合計した連邦補助が 50 万ドル未満なら、鋼、鉄、製造品の要件と BABA の建設資材の要件は適用されません。2023 年 8 月 16 日以降に確定した補助、または同日以降に行われた再補助が対象です(FHWA の少額コスト・小規模補助免除 Q&A、88 FR 55817 による)。
不適合品の使用が後から分かった場合について、一般 Q&A 第 49 問は、FHWA が審査し本部の同意を得たうえで取りうる対応を挙げています。撤去して国産品に交換する、不適合品を連邦補助の対象外にする、不注意や能力不足などの証拠がある場合は事業費全体を補助の対象外とする、のいずれかです。 これらが左右するのは補助の受領者が連邦補助を受けられるかどうかで、買い手が書類にこだわる理由はここにあります。サプライヤーが契約上どんな責任を負うかは、それぞれの契約によります。
55% の条文の対象は製造品で、二つの日付で適用が始まる
冒頭の日付に戻ります。1983 年、FHWA は製造品について Buy America を免除することが公共の利益にかなうと判断しました。これが「製造品一般免除」(Manufactured Products General Waiver)です。四十年あまり、現場に届く製造品は原則として米国で生産する必要がありませんでしたが、製造品のうち鉄鋼が主体の部品は国産要件を満たす必要がありました。 2025 年の最終規則はこの免除を終わらせ、製造品 Q&A の第 4 問のとおり段階的に適用されます(日付は FHWA が連邦資金の支出義務を負った日、つまり obligation の日です)。
| 事業の確定日 | 製造品が満たすべきこと |
|---|---|
| 2025-03-20 より前 | 最終規則以前の要件。製造品一般免除と当時の鉄鋼部品の要件を含む |
| 2025-03-20〜2025-09-30 | 新しい分類の規則を適用。製造品一般免除は引き続き適用 |
| 2025-10-01〜2026-09-30 | 米国で製造(最終組立要件)。55% 要件はまだ適用されない |
| 2026-10-01 以降 | 米国で製造し、かつ米国で採掘、生産、製造された部品のコストが全部品コストの 55% を超える |
区切りは事業の補助が確定した(obligated)日で、品物が現場に届いた日ではありません。前文はさらに、先行着工(advance construction)の事業では FHWA が承認した日、設計施工一括などの方式では施工段階の確定日で判断すると説明しています。この記事を書いた 2026 年 10 月 15 日の時点で、新たに確定する事業は最後の行に入ります。
「米国で製造」の意味について、製造品 Q&A 第 5 問は線を引いています。最後の製造工程が製品そのものを変え、特定の形状に加工するか新しい性質を持つ組合せにする必要があります。輸入後に米国で包装やラベル貼りをするだけ、分解して元どおり組み立て直すだけ、形状と性質が変わらない塗装をするだけでは、米国で製造したことになりません。 55% のコストの数え方は 635.410(c)(3) が定めています。製造者が購入した部品は取得コストで、製造品に組み込む場所までの運賃と該当する関税を含みます。自社でつくった部品は、その製造の全コスト(同様の運賃を含む)に配賦できる間接費を加え、利益は除きます。前文はさらに、55% は製造品そのものへの要件で、数えるのは直接組み込まれた部品であり、部品の中の下位部品についてもう一度 55% を計算する必要はないと説明しています。
製造品にも少量の枠がありますが、0.1% ではありません。FHWA は前文と少額コスト・小規模補助免除の Q&A で、635.410(b)(4) は鉄鋼製品だけに適用されると説明しています。製造品と建設資材には運輸省の 2023 年の少額コスト免除が適用され、不適合品の総額が 100 万ドルと「適用対象コスト全体」の 5% のうち小さいほうを超えないことが条件です。適用対象コスト全体とは、事業の鋼、鉄、製造品、建設資材のコストで、契約総額ではありません。 二つの枠は別々に追跡するよう、Q&A も求めています。
ボルトが製造品に組み込まれると、扱いが変わる
55% がばらのボルトに当たらないからといって、ボルトと無関係なわけではありません。前に書いたとおり、旧制度では製造品のうち鉄鋼が主体の部品は国産要件を満たす必要がありました。最終規則はこの点を変えています。FHWA は前文で、製造品に分類される製品については、中の鉄鋼主体の部品が鉄鋼の条文を満たす必要はなく、製造品そのものが製造品の要件を満たせばよいと書いています。製造品 Q&A の第 1 問と第 6 問によれば、この分類は 2025 年 3 月 20 日以降に確定した事業から適用されます。 例外は二つです。製造品に分類されるプレキャストコンクリート製品の中の、全部または主に鉄鋼でできた部品と、道路用地その他の不動産に設置され製造品に分類される高度道路交通システム(ITS)などの電子機器の、全部または主に鉄鋼でできた筐体その他の外殻そのものです。これらは引き続き鉄鋼の条文を満たす必要があり、2026 年 10 月 1 日以降に確定した事業では 55% の計算にも入ります。
FHWA が挙げる理由は追跡の負担です。前文では、部品の鋼材の来歴はふつう追跡されていないという意見を受け止め、安価な鉄鋼部品については製造者が外国製に切り替える選択肢を持つべきで、こうした小さな部品の鋼材の出どころをたどる負担は重く、鉄鋼業界にとっての価値もそれに見合わないとしています。鉄鋼業界を代表する意見は、長年の運用に反するとしてこの変更に反対しました。 この前文はボルトの名前を挙げていませんが、「安価な鉄鋼部品」には、低コストの部品として使われる鋼製ボルトが含まれうると考えられます(当サイトの推論)。
製造品に直接組み込まれたボルトは、55% の分母の中で外国コストの一部を占める形に変わります。仮の数字で見ます(ボルトは直接組み込まれる外国製部品で、コストは (c)(3) で計算したと仮定)。ある製造品の部品コストの合計が 1,000 ドルで、そのうち台湾製ボルトが運賃と関税込みで 30 ドル、ほかの外国部品が 380 ドル、米国部品が 590 ドルなら、国産比率は 59% で 55% を超えます。米国部品が 540 ドルしかなく、そのぶん外国部品が 50 ドル増えれば 54% で、超えません(数字はすべて仮定)。 国産比率は 55% を厳密に超える必要があるので、外国製の直接部品の比率は 45% 未満でなければならず、ボルト自体の比率は小さくても、ほかの外国部品とこの枠を分け合うことになります。ボルトが別の部品の中の下位部品にすぎない場合は、別に数えません。
同じボルトがどの区分に入るかは、現場への届き方で決まります。製造品 Q&A の第 9 問は信号灯を例にしています。信号灯が一式で現場に届けば製造品になりうるが、施工者が灯器とレンズを別々の供給者から買い、現場で組み合わせるなら、灯器は製造品(鉄鋼の含有によっては鉄鋼製品)、ガラスや樹脂のレンズは建設資材に分類されうる、というものです。 同じ考え方なら、施工者が別に買って現場で機器を固定するのに使う全鋼製ボルトの袋は、現場に届いた時点では単独で納入された鉄鋼製品で、(b) を満たす必要があります(当サイトの推論)。 例外は「キット」(kit)です。第 10 問と第 11 問によれば、単一の製造者または供給者から買い、部品が別々に現場に届いてから一つの機能を果たす製品に組み上げられるものは、製造品の定義を満たすなら全体で一つの製造品に分類され、部品ごとには分類しません。多くの製品からなるシステムとは区別されます。キットの製造者とは、現場で組み立てる施工者ではなく、キットの最終製造を行う者で、その者が部品をそろえる場所が米国内であることが、最終組立要件を満たす条件です。キットの部品コストに含める運賃は、製造者が部品を集成する場所までで、現場までの運賃ではありません。
逆向きの線もあります。ある製品の鉄鋼含有分のコストが全部品コストの半分を超えると、その製品は全体が鉄鋼製品になり、製造品ではありません(製造品 Q&A 第 6 問)。このとき中の鉄鋼部品は、安価なボルトも含めて米国で製造する必要があり、鉄鋼以外の部品はこの国産要件の対象外です(前文の注 27、製造品 Q&A 第 3 問)。 同じ「製品の中のボルト」でも、製品がどちらの区分に入るかで結果が逆になります。
これらの文書が答えていないこと
この記事が読んだのは、eCFR 上の 23 CFR 635.410 と 2 CFR 184、2025 年 1 月 14 日の最終規則の全文と前文、施行延期の公示、FHWA ウェブサイトの三つの Q&A(製造品最終規則の Q&A、連邦補助事業の Buy America Q&A、少額コスト・小規模補助免除の Q&A)、91 FR 5550 の免除公示です。 製造品 Q&A と少額コスト免除の Q&A は、引用した法令と規則を除き、内容に法的効力はないと明記しています。一般 Q&A は表紙に「2026 年 1 月 5 日更新」とある一方、本文には「これらの Q&A の最終更新は 2023 年 3 月 6 日」とあり、この記事は二つの日付をそのまま記して、どの問がいつ変わったかは判断しません。
範囲も区別が必要です。この規則が対象とするのは FHWA が第 23 編で補助する事業です。連邦機関が自ら直接調達する場合は Buy American と連邦調達規則が適用され、ここで扱うものとは別の制度です(一般 Q&A 第 34、35 問)。FHWA と連邦公共交通局(FTA)の共同資金の事業は、一般 Q&A 第 39 問により資金を主担当機関に移し、その機関の規定が適用されます。ほかの連邦機関のインフラ補助には原則として 2 CFR 184 の BABA の規定が適用されますが、184.2(a) が既存の国産要件について別の扱いを定めており、この記事では一つずつ確認していません。 州は FHWA より厳しい要件を定めることもできます(一般 Q&A 第 11 問)。契約上の要求は実際の契約によります。米国の国防調達の特殊金属の規則は別の制度で、市販のねじは米国の国防調達で市販品だというだけでは免除されないを参照してください。同じ米国の「ファスナー」の規制でも、米国ファスナー品質法は別のことを定めています。
この記事で判断できないことが三つあります。第一に、ボルトを鉄鋼製品に、アルミニウムのねじを非鉄金属の建設資材に分類するのは当サイトが定義から読んだもので、2025 年の最終規則と三つの Q&A は一般的なボルトやアルミニウムのねじの分類を直接示していません。第二に、635.410(b) には「溶解」の語がなく、「線材は米国で溶製されている必要がある」は一般 Q&A 第 13 問、2 CFR 184.3、前文の「substantially mirrors」という記述からの当サイトの推論です。 第三に、プレキャストコンクリートと ITS の筐体以外で、どの製造品が外国製ボルトをどれだけ使うかについて、これらの文書にデータはありません。これは法的助言ではなく、個別のケースは契約、補助の受領者の要求、米国の連邦補助の規定に詳しい専門家の確認に従ってください。
サプライヤーとしては、見積もりの前に買い手に六つのことを尋ねておけます(当サイトの整理で、条文が求める一覧ではありません)。その事業は第 23 編の連邦補助を使うか。事業の補助が確定した(obligation の)日はいつか。ボルトは単独で現場に届くのか、製造品に直接組み込まれて、あるいはキットの部品として届くのか。その製造品やキットの最終製造は誰がどこで行うか。プレキャストコンクリートや ITS の筐体に当たるか。すでに免除があるか。 これらの答えで、ボルトが向き合うのが (b)(1)(ii) の国内製造工程要件なのか、製造品の部品コストの計算なのかがおおよそ決まります。確定日と免除によって結果が変わることもあります。
この記事は手順 6、書類を扱います。全体の順序は相手材、ねじ、頭部、駆動部、表面処理、書類で、これを崩すと微調整ではなく手直しになる理由はねじの決め方にあります。
よくある質問
台湾でつくったボルトを米国に送ってから溶融亜鉛めっきをすれば、FHWA の国産要件を満たしますか?
23 CFR 635.410(b)(1)(ii) により、鉄鋼製品は原則として被覆処理を含むすべての製造工程を米国で行う必要があります。圧造、転造、熱処理を台湾で行えば、米国外で行われた製造工程があることになり、米国でのめっきでは、それ以前の工程を取り戻せません。少量使用の枠を計算するときも、FHWA の一般 Q&A 第 29 問は、外国鋼に米国で施した加工のコストを外国鋼の価値に含めないとしています。ここで扱うのは FHWA の国内製造工程要件で、税関の原産地や製品表示の判定ではありません。
米国で溶製した線材を台湾で加工するのはどうですか?
FHWA の一般 Q&A 第 30 問は、国産の鋼製品が国外で加工されると全体が外国鋼になるとし、第 47 問は、曲げ、押出し、穴あけ、被覆などの製造工程が一つでも国外で行われれば、できたものは外国製品になるとしています。圧造や転造は製造工程なので、この二問の考え方では (b)(1)(ii) の国内製造工程要件を満たしません(当サイトの読み方。Q&A にボルトの例はありません)。
2026 年 10 月からの国産部品 55% 要件は、ボルトに当たりますか?
単独で現場に届く全鋼製のボルトは、当サイトが定義を当てはめる限り鉄鋼製品で、製造品ではないので 55% は当たらず、すべての製造工程を米国で行う要件が当たります。ボルトが製造品に直接組み込まれて届く場合は、その製造品の部品として、2026 年 10 月 1 日以降に確定した事業ではコストが 55% の分母に入ります。キットの部品はキット全体で分類します。特別な要件が二つあり、対象は製造品に分類される製品です。プレキャストコンクリート製品の中の全部または主に鉄鋼でできた部品と、道路用地その他の不動産に設置される ITS などの電子機器の、全部または主に鉄鋼でできた筐体その他の外殻そのものは、引き続き鉄鋼の条文を満たす必要があります。
一つの事業で外国製のボルトはどれだけ使えますか?
鉄鋼製品の少量使用の枠は、契約総額の 0.1% か 2,500 ドルの大きいほうで、現場に届いた時点の価値(材料費と運賃。明確に記録された、外国鋼に米国で施した加工のコストは含めない)で数えます。契約内のすべての外国鉄鋼の累計で共有し、契約額は設計変更を含む最終額によります。このほかに、事業ごとに申請する免除と、小規模補助免除があります。後者は、同じ事業の補助・再補助による連邦援助の合計が 50 万ドル未満で、2023 年 8 月 16 日以降の補助の確定または再補助の実施という日付条件を満たす場合が対象です。
参考資料
- 23 CFR 635.410 —— Buy America requirements(eCFR)
- FHWA —— Buy America Requirements for Manufactured Products, Final rule, 90 FR 2932(2025-01-14)
- FHWA —— Final rule; delay of effective date, 90 FR 11139(2025-03-04)
- 2 CFR Part 184 —— Buy America Preferences for Infrastructure Projects(eCFR)
- FHWA —— Buy America-Related Questions and Answers(三つの Q&A PDF の入口)
- FHWA —— Buy America Waiver Notification, 91 FR 5550(2026-02-06、ロサンゼルス港)
- 市販のねじは米国の国防調達で市販品だというだけでは免除されない
- 線材がよそから来ているので、原産地が問題になる:混同されつづける三つのもの
- 米国ファスナー品質法が対象とする「ファスナー」は名前より狭い
この記事は、eCFR 上の 23 CFR 635.410 と 2 CFR 184(Title 23 と Title 2 のデータは 2026 年 10 月 13 日時点。当サイトが 2026 年 10 月 15 日に版の記録を確認し、635.410 の最終版は 2025 年 3 月 20 日)、連邦官報の最終規則、施行延期の公示、91 FR 5550 の免除公示、FHWA ウェブサイトの三つの Q&A 文書(表紙の日付は 2026 年 1 月 5 日)をもとに整理したもので、法的助言ではありません。ボルトとアルミニウム製ファスナーの具体的な分類、線材の溶製地要件のボルトへの適用、別途納入する固定用ボルトの分類は、当サイトが条文と Q&A を当てはめた推論であり、FHWA による個別のファスナーの分類決定ではありません。契約額 250 万ドルの交点は当サイトの換算で、1,000 万ドルと 150 万ドルの契約、3,000 ドルのボルト、55% のコストの例はいずれも仮定です。
お問い合わせ
ボルトを米国の連邦補助道路事業に使う場合は、お問い合わせの際に、事業に 23 CFR 635.410 が適用されるか、事業の補助が確定した(obligation の)日、ボルトの材質と納入形態(単独納入、製造品の直接部品、キットの部品)、買い手が必要とする書類をお書きください。適用される分類、コスト計算、免除の根拠は、事業と契約の資料に基づき買い手側でご確認ください。
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