ファスナーに名前をつける規格は六か国語を並べ、そのうち三つは数に入らないと述べる
自分で設計した部品を投稿した人がいた。短いねじ付きの管で、一端につばが付いている。困りごとは明快だった。これほど単純なら既製品があるはずだが、名前が分からないので検索のしようがない、と。その問いだけを仕事にしている国際規格がある。五十五頁、四十一の箇条からなり、どの項目にも六か国語の名前を与え、そして最初のほうでこう告げる。その六つのうち三つは ISO 用語ではない、と。
その用語規格の一頁目にある注記。 「ドイツ語、イタリア語及びスペイン語の対応用語は、専門委員会 ISO/TC 2 の要請により 収録されたものであり、それぞれドイツ(DIN)、イタリア(UNI)及びスペイン(IRANOR)の 会員団体の責任のもとに公表されている。ただし、ISO の三つの公用語(英語、フランス語及び ロシア語)で与えられた用語のみが ISO 用語とみなされうる。」
本稿はその部品の名称には答えない。 無料プレビューが届くのは四十一箇条のうち最初の三箇条までで、残りは読んでいない。 したがって、その名前が先のほうに出てくるかどうかは述べられない。 報告できるのは、この命名規格が何であり、自身の効力について何と書いているかである。 問いは公開されている工学の質問サイトの公開インターフェース経由で得た。 本サイトが通常用いるブラウザ側の道具は、この回も接続できないままである。 設問本体のみを読み、回答は一切読んでいない。利用者名も書かない。
「何と呼ぶか」を主題にした規格
ISO 1891:1979 の表題は「Bolts, screws, nuts and accessories:Terminology and nomenclature」、すなわちボルト、ねじ、ナット及び付属品の用語及び名称である。 第一版、1979 年 12 月 15 日、訂正のうえ再印刷と記されており、ISO/TC 2 が作成し、 1977 年 3 月に会員団体へ回付された。五十五頁として価格が付けられている。
適用範囲の一文が、志と限界を一息で言い切っている。この規格はボルト、ねじ、ナット及び 付属品の用語及び名称を、「英語、フランス語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語及び スペイン語で定め、該当する製品規格に別段の定めがない限り、使用を推奨する」。 六か国語と、どの製品規格でも覆せる一つの推奨である。
本サイトの数え方では、目次には番号付きの箇条が四十一ある。 第 1 箇条が適用範囲なので、語彙は四十箇条となり、ねじに始まり割ピンで終わる。 あいだには頭部の形状、胴部の形状、ねじ及びボルトの端部、駆動部が並び、 そのあとは家族ごとの箇条が続く。四角頭ボルト、三角頭ボルト、八角頭ボルト、 T 頭ボルト、ねじプラグ、植込みボルト、頭なしねじ、プリベリングトルクナット、 袋ナット、舌付き座金。どの項目も一行で、番号と図と六行の言語からなる。
どの行も半分は ISO 用語ではない
冒頭に引いた注記は、事務的な断り書きとして読み飛ばしやすい。そうではない。 その意味するところは、あの行のどれをとっても、六行のうち三行は規格自身の権威を帯び、 残る三行は三つの国内会員団体が提供し、その責任のもとに公表されたものだ、ということである。 ドイツ語、イタリア語、スペイン語の名前は同じ行に、同じ書体で並び、 そして明示的に ISO 用語ではない。
それが問題になるかどうかは、六行が食い違うことがあるかどうかによる。 プレビューが届く範囲では、食い違う。第 3 箇条は頭部の形状を挙げ、最初の四項目はこうである。
- 3.1 hexagon head(六角頭)
- 3.2 hexagon head with washer face(座面付き六角頭)、イタリア語 testa esagonale con collarino
- 3.3 hexagon head with collar(つば付き六角頭)、イタリア語 testa esagonale con collarino
- 3.4 hexagon head with flange(フランジ付き六角頭)
英語では別項目、図も別、イタリア語名は同一である。 フランス語は à collerette と à embase cylindrique で区別しており、 スペイン語も con collarín と con collar で区別している。 ぶつかっているのはイタリア語の列であり、そのイタリア語こそ、 規格がたった今 ISO 用語ではないと述べた三つのうちの一つである。 あの注記は儀礼ではない。荷重を負っている。
この四項目は、元の問いが周辺をなぞっていた区別にも、頭部についてだけは答えている。 ここでは、つばとフランジは同じ特徴ではない。3.3 は円筒形、3.4 は円筒と円錐、 そして 3.2 の座面はさらに別のものである。
そのあと、三つの公用語どうしが食い違う
適用範囲には図についての一文がある。 「図は本質的に略図であり、とくに特殊な特徴をもつボルト及びねじ、たとえば 第 18 箇条及び第 19 箇条で扱われるものの図がそうである。ただし、可能な限りこれらの図を 基礎として用いることを推奨する。」
フランス語の列は同じことを述べ、chapitres 18 et 19 を指す。 ロシア語の列は第 19 箇条及び第 20 箇条を指す。 確認のためにその頁を一インチあたり四百点で算出し直した。 一桁違いというのは、文字抽出がまさに勝手に作り出す類のものだからである。確かにそこにある。
箇条番号そのものは三つの目次で一致しているので、番号体系の異なる二つの文書という話ではない。 第 18 箇条は「Screws with captive components」、第 19 箇条は 「Miscellaneous bolts and screws」、第 20 箇条は「Screw plugs」である。 この一文がどちらの組を指すつもりだったかは、プレビューからは決められないし、 ロシア語のほうが誤りだと主張するつもりもない。 報告できることはもっと狭く、そしてもっと奇妙である。 三つの言語だけが ISO 用語だと説明し終えたばかりの規格の中で、 その三つの言語が、この一文がどの箇条を指しているのかについて一致していない。
ISO 自身が規格をもたないものにも名前をつけている
図の一文の直前にある段落が、この文書全体の位置づけを変える。
「現時点では、掲げたファスナー及び付属品のすべてが ISO 出版物で扱われているわけ ではない。項目は大部分、既存の国家規格から選ばれている。また、廃れつつある型式 (在庫を使い切りつつあるもの)も、その用語を同時に標準化できるように収録している。」
三文のうちに二つの自認がある。一つ目は、この語彙が所属する規格体系より広いということである。 ここで名前を与えられているもののうちには、背後に ISO の製品規格をもたず、 代わりに国家規格から採られたものがある。 したがって、この一覧に名前を見つけたからといって、その部品に ISO 規格があるとは言えない。 正しい名前をもちながら、標準化された品目ではないファスナーがありうる。
二つ目は意図的で、ゆっくり読むとむしろ親切である。 廃れつつある型式は、わざわざ入れられている。 在庫を使い切りつつあるものと形容され、その用語を同時に標準化できるように、と理由が添えられている。 命名規格はふつう前を向く。この規格は退場しつつある部品にも場所をあけた。 箱が空になるまで、人はそれについて話さなければならないからである。
図は略図であり、それでも使えという
図についての一文の後半は、箇条番号の問題とは切り離して読む価値がある。 図は本質的に略図であり、それでも可能な限りこれらの図を基礎として用いることが 推奨される。つまり寸法を負っておらず幾何として差し出されてもいないが、 この形を描くときに描くべき形としては差し出されている。
この種の文書としては妥当な立場であり、はっきり述べておく価値がある。 規格の中の図は測られたがるものだからである。これは測るためのものではない。 寸法は、適用範囲が譲っている製品規格の側にあり、 それに伴う公差等級(英文)は さらに別の文書である。
第 2 箇条の語彙は、命名という営みが、いま自分が置かれているメートル法体系よりずっと古い ことも思い出させる。ねじの一覧には ISO メートルねじの項目と並んで ウィットウォースねじとウィットウォース管用ねじがあり、 あの角度がいまの数字になった経緯は 本サイトに別頁がある。
本稿が確かめたこと、確かめていないこと
- ファスナーを何と呼ぶかを主題にした規格が実在する。六か国語、本サイトの数え方で語彙は四十箇条
- ISO 用語は英語、フランス語、ロシア語だけである。ドイツ語、イタリア語、スペイン語の対応語は委員会の要請で加えられ、三つの国内会員団体の責任のもとに公表された
- 異なる二つの頭部項目が一つのイタリア語名を共有している(3.2 と 3.3)。英語、フランス語、スペイン語は区別している
- 三つの公用語が一つの相互参照で食い違う。英語とフランス語が第 18 と第 19 箇条を挙げるところで、ロシア語は第 19 と第 20 箇条を挙げる。どちらが正しいかについて本サイトは立場をとらない
- 一覧には ISO 出版物を背後にもたない項目がある。国家規格から採られたものであり、廃れつつある型式も意図的に収録されている
- この命名は推奨である。該当する製品規格に別段の定めがない限り適用される
- 第 4 から第 41 箇条は読んでいない。無料プレビューは五十五頁のうち十五頁であり、特定の部品の名称に答える一文はここにはない
問いは、名前を知らないものをどう検索するか、だった。 そのために作られた文書があり、その一頁目を読むと、 文書を開いてもなお検索が難しい理由が分かる。 名前はどの言語に立っているかで変わり、六つのうち三つは公式には数に入らず、 そしてこの一覧は、その物に規格が付いているという約束では初めからなかった。
この記事は手順 6、書類を扱います。全体の順序は相手材、ねじ、頭部、駆動部、表面処理、書類で、これを崩すと微調整ではなく手直しになる理由はねじの決め方にあります。
よくある質問
ファスナーの名称を定めた規格はありますか。
あります。ISO 1891:1979「Bolts, screws, nuts and accessories:Terminology and nomenclature」、第一版は 1979 年 12 月 15 日、ISO/TC 2 が作成しました。本サイトの数え方では目次に番号付きの箇条が四十一あり、うち四十箇条が語彙で、ねじに始まり割ピンで終わります。
何か国語で書かれていますか。
項目ごとに六か国語です。英語、フランス語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語。適用範囲の注記は、ISO の三つの公用語(英語、フランス語、ロシア語)で与えられた用語のみが ISO 用語とみなされうる、と述べています。ドイツ語、イタリア語、スペイン語の対応語は専門委員会の要請で収録され、ドイツ、イタリア、スペインの会員団体の責任のもとに公表されています。
その区別が実際に問題になることはありますか。
読めた範囲では、あります。項目 3.2 と 3.3 は図の異なる別の頭部で、英語では hexagon head with washer face と hexagon head with collar ですが、イタリア語名は同一です。英語、フランス語、スペイン語の列は区別しています。
つばとフランジは同じものですか。
この箇条では違います。項目 3.3 はつば付き六角頭で、フランス語では円筒形の embase と説明され、項目 3.4 はフランジ付き六角頭で cylindro-tronconique と説明されます。項目 3.2 の座面はさらに別の項目です。
公用語どうしが食い違うことはありますか。
確認した一箇所では、あります。図は本質的に略図であると述べる一文が、英語では第 18 と第 19 箇条を、フランス語では chapitres 18 et 19 を指し、ロシア語では第 19 と第 20 箇条を指します。三つの目次の箇条番号は一致しています。どの相互参照が正しいかについて本サイトは立場をとらず、食い違うという事実のみを報告します。
規格に名前があれば、その部品には ISO 規格があるということですか。
必ずしもそうではなく、適用範囲がそう述べています。掲げたファスナー及び付属品のすべてが ISO 出版物で扱われているわけではなく、項目は大部分、既存の国家規格から選ばれています。
なぜ廃れた部品にも名前をつけるのですか。
意図的です。適用範囲には、廃れつつある型式(在庫を使い切りつつあるものと形容されています)を、その用語を同時に標準化できるように収録した、と書かれています。
図から寸法を取ってよいですか。
適用範囲は図が本質的に略図であると述べており、幾何として差し出されてはいません。同じ一文が可能な限りこれらの図を基礎として用いることを推奨していますが、それはどう描くかの話であって、どの大きさにするかの話ではありません。
一端につばの付いたねじ付き管の名称は分かりますか。
いいえ。本稿はそれを試みてもいません。無料プレビューが届くのは四十一箇条のうち最初の三箇条までです。第 4 から第 41 箇条は読んでおらず、いかなる名称も否定も肯定もしていません。
参考資料
- ISO 1891:1979「Bolts, screws, nuts and accessories:Terminology and nomenclature」第一版、1979 年 12 月 15 日、訂正のうえ再印刷。無料プレビュー十五頁、五十五頁として価格が付けられた文書のうち
- その問い。公開されている工学の質問サイトにて。五点、四つの回答
プレビューは完全に取得し、本稿の引用と番号はすべて算出した頁画像から読んだ。英語とフランス語が 18 と 19、ロシア語が 19 と 20 とする相互参照については、一インチあたり四百点でもう一度照合した。本サイトが ISO 1891 を用いるのはこれが最初である。以下は本サイトが自分で数えたものであり、規格が述べていることではない。目次に番号付きの箇条が四十一あり、うち四十箇条が語彙であること。項目ごとに六行の言語があり、うち三行が ISO 用語であること。プレビューが五十五頁のうち十五頁であること。第 4 から第 41 箇条は読んでおらず、そこに何が載っているかについて本稿は一切主張しない。本稿のきっかけとなった問いの部品についても同様である。三つの公用語版のうちどれの相互参照が正しいかについて本サイトは立場をとらず、食い違うこと、および三つの目次の箇条番号が一致していることのみを報告する。ISO 1891 シリーズの後続の部は存在するが本稿では読んでいないため、現行の用語規格についての記述として受け取られるべきではない。銘柄、カタログ業者、検索ツールはいずれも挙げない。第 2 箇条のウィットウォースの項目は一覧上の項目として触れたにすぎず、そのねじの経緯は本サイトの別頁にあり、ここでは繰り返さない。問いは本サイトが通常用いる掲示板側の道具ではなく、公開されている工学の質問サイトから得た。その道具はこの回も接続できないままである。設問本体のみを読み、回答は読んでいない。利用者名も書かない。
お問い合わせ
手元に部品があるのに名前が出てこないときは、検索語よりも、写真と実測寸法を二つ三つ 添えていただくほうが話が早く進みます。それをお送りいただければ、 当社が準拠する規格の中でその品目が何と呼ばれるか、 そしてそもそも標準化された品目なのか、作らなければならないものなのかをお伝えします。