照明柱のベースプレート下のすき間にグラウトを詰めるべきか:FHWA の指針はダブルナット接合では一般に推奨せず、レベリングナット下面はコンクリート面からアンカーロッド径 1 本分以内、上ナットは径と等級に応じて密着後 1/12〜1/3 回転
信号柱や照明柱、門型標識の柱脚には、ベースプレートがナットの上に載り、コンクリートとの間にすき間が残っている形式があります。施工途中のようにも見えます。しかし米国連邦道路庁(FHWA)が 2005 年に出した設置・点検の指針は、この「ダブルナット・モーメント接合」について一般にグラウトを推奨していません。さらに、下のレベリングナットの下面はコンクリート面からアンカーロッド径 1 本分を超えてはならないとしています。この指針は FHWA のサイトでアーカイブ扱いになっており、以下はその内容で、現行基準のまとめではありません。本ページでは、この 2 個のナットの役割と締め方を扱います。順に、締付けの軸力はどこに入るのか、すき間をなぜ埋めないのか、レベリングナットはどこまで上げてよいか、どこまで締めてどう確認するか、点検で何を見るか、の五つに答えます。読了まで約 10 分です。
二つの柱脚:プレートがグラウトに載るか、ナットに載るか
指針は FHWA NHI 05-036 で、Collins Engineers の Garlich 氏と Thorkildsen 氏が執筆し、2005 年 3 月に出版されました。対象は道路標識、照明、信号の支持構造です。 FHWA のサイトにある PDF には全ページに ARCHIVED(アーカイブ済み)の透かしが入っています。本ページはこの 2005 年の指針をまとめたもので、現行の AASHTO 基準や各州・管理者の要求と一致するかは確認していません。実際の扱いはそれらの基準によります。
§6.7 は、道路付属構造物のほとんどで使われる二つの柱脚接合を紹介しています。一つ目は threaded-shear-and-uplift joint で、ベースプレートがコンクリートかグラウトパッドに直接載り、上のナットは 1 個が多く、2 個のこともあります。 指針は、この形式ではプレートがグラウトに直接接していなければならず、レベリングナットやシムで支えてはいけないとしています。また、繰返し荷重でプレートがグラウトをすり減らし、アンカーロッドの軸力を保ちにくいとも書いています。 このため NCHRP Report 469 は大型の片持ち支柱には推奨していませんが、指針の出版時点では多くの照明柱や小型の信号柱で一般的に使われていたと記しています。
二つ目が本ページの対象、double-nut-moment joint(ダブルナット・モーメント接合)です。ベースプレートは基礎から浮き、各アンカーロッドのレベリングナットの上に載り、その上を上ナット(1 個または 2 個)で押さえます。 指針は、どの支柱にも適用できる可能性があるとし、2001 年版 AASHTO 基準で設計する片持ち支柱にはこの形式を必須としています。上ナットとプレートの間、レベリングナットとプレートの間の両方に座金を入れ、プレートの傾きが 1:40 を超えるときはテーパー座金を使います。
| 項目 | プレートがグラウトに載る形式 | ダブルナット・モーメント接合 |
|---|---|---|
| プレートの支持 | コンクリートかグラウトパッドに直接載る。レベリングナットやシムで支えない | レベリングナットに載り、基礎との間は空く |
| ナット | 上側 1 個が多く、2 個のこともある | 各ロッドの上下に 1 個ずつ(上は 2 個も可)。両方ともプレートとの間に座金 |
| 圧縮力の伝わり方 | プレートからコンクリートへ直接。アンカーロッドは受けない | アンカーロッドが軸力、曲げモーメント、せん断をすべて受けるよう設計する |
| 指針の扱い | NCHRP Report 469 は大型の片持ち支柱に推奨しない | どの支柱にも適用できる可能性。2001 年版基準の片持ち支柱では必須 |
締付けの軸力は 2 個のナットの間にだけ入る
プレートがナットに載っている以上、一般的な配置では、上ナットを締めたときに 2 個のナットの間に挟まれるのはプレートと上下 2 枚の座金です。指針は、ダブルナット接合は「ナットの間でのみプリテンション(締付けによる軸力)が導入され、それは強度に影響しない」と書いています。 NCHRP Report 412 を引いて、導入軸力で疲労性能はわずかに良くなるがその効果は大きくないとし、レベリングナットより下のロッドには締付けによる軸力(プリテンション)は入らないものの、外力と疲労荷重の全振幅は受けると述べています。
それでもなぜ専用の締付け手順があるのか。指針は「より重要なこととして」、導入軸力が各アンカーロッドの間の良好な荷重配分を確保すると書いています。言い換えると、指針が強調するのは強度ではなく配分です。良好な配分は各ロッドの力が等しいことを意味しません。曲げモーメントがあれば、両側のロッドが受ける力はもともと違います。 同じ節で、アンカーロッドはプレート下にグラウトがあっても、軸力、曲げモーメント、せん断をすべて受けるように設計するとしています。
配分がなぜ大切かは、同じ節の別の段落につながります。指針は、少数の太いロッドより多数の細いロッドのほうがよいとし、冗長性がなく疲労で決まる構造ではロッド群を 8 本以上にすべきだとしています。 8 本のうち 1 本が疲労で切れても隣のロッドの負担増は許容でき、2 本目が切れるまで通常は数週間から数か月かかります。4 本や 6 本の群では 1 本の破断がそのまま倒壊につながるおそれがあります。
すき間にグラウトを詰めるか:意見は分かれるが、一般には推奨しない
冒頭の問いに戻ります。指針自身が「グラウトを使うかどうかは意見が分かれる」と認めたうえで、判断を説明しています。正しく設計されたダブルナット接合では荷重はすべてアンカーロッドが受けます。 ロッドはグラウトより剛性が高く、グラウトは(いわゆる無収縮グラウトでも、わずかに)プレート下で収縮するため、設計でグラウトの分担を見込んでも実際に伝わる荷重は少ない、という説明です。 よく施工されたグラウトなら、非常に大きな荷重や想定外の荷重の一部を受けるかもしれません。ただ、大型照明柱のベースプレートはリング状のことが多く、内側への流れを止めつつ下を完全に満たす施工は容易ではありません。
このため指針は、ダブルナット・モーメント接合へのグラウトは「一般に推奨しない」と明記し、理由を三つ挙げています。
- ひび割れて水分を保持し、腐食を進めるおそれがある。
- 詰めると、下ナットの点検も締め直しもできなくなる。
- プレートを据えた後に詰めるため、レベリングナットが高く上がり、その下面からコンクリート面までが推奨のロッド径 1 本分を超えるおそれがある。
グラウトを詰めない場合は、ゴミの堆積や動物の侵入を防ぎ、電線がある場合はそれも守るため、プレートの周囲をステンレスの金網で囲うよう勧めています。
州の基準はもっとはっきりしている場合があります。テキサス州交通局(TxDOT)の Highway Illumination Manual にはグラウトだけを扱うページがあり、1975 年ごろまでは照明柱のベースプレートと基礎の間にグラウトが必要だったが、 その後、グラウトが水分を閉じ込めて柱、プレート、アンカーボルト、ナットなどの過度な腐食を招くと判断されたとしています。既設柱ではグラウトを撤去し、新設柱には詰めず、アンカーボルトは清掃して高濃度亜鉛塗料を塗る、という内容です。 これは一つの州の照明マニュアルで、すべての管理者を代表するものではありませんが、FHWA の一つ目の理由と同じ方向を向いています。
ここで扱っているのはダブルナット接合です。プレートがグラウトパッドに載るよう設計された形式では、指針の要求は逆で、プレートがグラウトに直接密着していなければなりません。指針が挙げる方法の一つは、シムで高さを決め、グラウトを詰め、シムを抜いて空いた部分を詰め直すもので、支持が完成してからアンカーロッドに所定の軸力を入れます。 すき間を見たら、まずどちらの接合かを確かめてから埋めるかどうかを決めてください。
レベリングナットはどこまで上げてよいか:下面がロッド径 1 本分まで
三つ目の理由に出てくる「ロッド径 1 本分」の出典は、§5.4 の建方手順です。まずレベリングナットを置いて水平にし、その下面はふつうコンクリート面から約 6 mm(0.25 in)の位置にします。 柱を吊り込んだ後、低い側のレベリングナットを上げてプレートを水平にします。続く一文が、アンカーロッドが受けるせん断と曲げを最小にするため、レベリングナットの下面はコンクリート面からアンカーロッド径 1 本分を超えてはならない、です。
当サイトが仮定した 1 in(約 25 mm)のロッドなら、レベリングナット下面の上限はコンクリート面から約 25 mm で、標準の 6 mm はその 4 分の 1 程度です。 この浮いた部分のロッドは周りに何もなく、プレートのせん断と曲げはここを通って下へ伝わります。高く上げるほど露出長さが長くなります。「せん断と曲げを最小にする」という一文を、この露出長さを制限するものと読むのは当サイトの解釈で、指針に計算はありません。実際の力は複数のロッドとプレートの拘束にも左右され、単純な片持ち梁としては扱えません。
指針はプレートそのものにも二つの制限を置いています。プレートは常に水平に設計し、キャンバーを付けるためにアンカーロッド上で傾けてはならない。傾けるとロッドを正しく締めることがほぼ不可能になるからです(§5.3)。 また、アンカーロッドはコンクリートが 28 日の設計基準強度に達するまで原則として建方荷重や供用荷重を受けるべきではなく、管理者またはその技術者の承認があれば最短 7 日で柱を取り付けられます。
どこまで締めるか:トルクで「密着」を決め、回転角で軸力を入れる
締付けの軸力が上下ナットの間にしか入らないとわかったところで、次はどう締めるかです。§6.9 の主な方法はナット回転法で、トルクは「密着(snug-tight)」の定義、検査、締め直しにだけ使います。 指針の書き方は率直で、トルクはボルトやアンカーロッドを締める方法としては劣るが、密着、検査、締め直しを定義する手段はほかにない、としています。
この指針はアンカーロッドの密着を独自に定義しています(RCSC 規格のボルトの定義とは別です)。検証トルク Tv の 20〜30% までナットを締めた状態です。Tv = 0.12 × db × FI で、db はロッドの呼び径、 FI は導入軸力(力の単位)です。F1554 Grade 36 は規格最小引張強さの 50%、それ以外は 60% とします。係数 0.12 は Till 氏と Lefke 氏の研究によるもので、一般的な径とめっきに適用できるとしています。 潤滑は前提条件です。ロッドのねじ、ナットのねじ、ナットの座面すべてに潤滑剤を塗り、指針は蜜蝋と便器用のシールワックスを例に挙げています。
| アンカーロッド径 | F1554 Grade 36(端部青塗り) | F1554 Grade 55(黄)、105(赤);A615、A706 Grade 60 |
|---|---|---|
| 1½ in 未満 | 1/6 回転(60°) | 1/3 回転(120°) |
| 1½ in 超 | 1/12 回転(30°) | 1/6 回転(60°) |
表の注は三つです。回転量はロッドに対する相対回転で、許容差は +20°(規定角度より最大 20° 多く回すのは可、少ないのは不可)。ダブルナット・モーメント接合にのみ適用。ナットがプレートに密着しない場合や、プレート外面の傾きが 1:40 を超える場合はテーパー座金を使う。 端部の色は同じ指針の Table 5 にある、F1554 の等級を見分ける塗色です。角度への換算は当サイトによるものです。
順序は上から下です。上ナットを潤滑してスターパターンで密着まで締め、次にレベリングナットをスターパターンで密着まで締めます。ここでテーパー座金が要るかを確認し(手順 11 の基準は傾き 1:20 超)、要れば分解してやり直します。 その後、各上ナットの一つの面とプレートに合いマークを付け、スターパターンで少しずつ、少なくとも 2 巡して Table 8 の回転量まで回し、回した後に回転量を確認します。 片持ちの標識柱や信号柱は、柱を建ててから片持ちアームを取り付ける 2 回に分けて吊り込むよう指針は求めています。全体を組んだままクレーンで吊っていると、ダブルナットを正しく締めることは「ほぼ不可能」だからです(§5.3)。
1 in(1-8UNC)の F1554 Grade 55 ロッドを仮定します。規格最小引張強さ(応力)を力に換えるときにどの断面積を掛けるかは、その式の段落に書かれていません。ここではねじの有効断面積 As = 0.7854 ×(1 − 0.9743/8)² ≈ 0.606 in² で試算します。 規格最小引張強さ 75 ksi × 0.606 ≈ 45.4 kips、FI はその 60% で約 27.3 kips、Tv ≈ 0.12 × 1 × 27.3 ≈ 3.27 in-kips、約 273 ft-lb、370 N·m です。 密着はその 20〜30% で約 74〜111 N·m、そこから上ナットを 1/3 回転、つまり 120°〜140° の範囲で回します。これは指針の式を使った当サイトの試算で、指針に載っている値ではありません。実際の工事では設計図と管理者の基準に従ってください。
径が 1 in を超えると、トルクレンチに 3 m の延長パイプが要るほどのトルクになることがあると指針は書いています。上ナットには油圧トルクレンチか、打撃用のめがねレンチに 3 m の延長パイプを付けてハンマーで叩くか数人で押す方法が挙げられています。 締付け不足は繰返し荷重による疲労破壊やさらなるナットの緩みにつながり、逆に起こりにくいものの締めすぎはロッドの塑性変形やねじ山の破損を招き、撤去と交換が必要になることがあります。
クレーンを外した後に、トルクによる確認が 2 回ある
ナット回転法で締付け軸力は入りますが、回し終えたからといってねじ山が無事とは限りません。§6.9 はクレーンを外した後に 2 回の確認を置いており、どちらも「さらに締めるのにどれだけのトルクが要るか」を見るものです。Tv と 1.1 Tv は確認のしきい値で、Table 8 の回転量に代わる締付けトルクではありません。
| 時点 | 確認すること | 満たさないとき |
|---|---|---|
| クレーンを外した後 | 上ナットとレベリングナットをさらに締めるのに Tv 以上が必要 | ねじ山の破損とみなし、設計者に報告 |
| 48 時間以上後 | さらに締めるのに 1.1 Tv 以上が必要 | ねじ山の破損とみなし、設計者に報告 |
| その後 | 少なくとも 4 年ごとに 1.1 Tv を確認する維持管理計画。なければナットの緩み止めが必要 | ジャムナットなどの緩み止めを使える |
上の仮定で試算すると、48 時間後の基準は約 407 N·m です(当サイトの試算)。確認の対象は「上ナットとレベリングナット」の両方で、見えている方だけではありません。
指針は仮付け溶接にも触れています。上ナットの上側をロッドに仮付け溶接して緩み止めや盗難防止にする例はあるものの、AWS D1.1 では認められていないため推奨できない、という立場です。どうしても使う場合は F1554 Grade 36、55 か A706 鉄筋に限ります。 どのナットも座金やプレートに仮付け溶接してはならず、レベリングナットの仮付けも不可です。コンクリートに埋まる側については別の話で、埋込み端の頭部をナットで作る場合、ロッドを締めるときに共回りしないよう、Grade 36、55 ならナットの応力を受けない下側を仮付けするか、どの等級の F1554 ロッドでもジャムナットを追加します。
この手順は、アンカーロッドをコンクリートに埋め込む前に一度試すことになっています。各ロットから少なくとも 1 本を、Skidmore-Wilhelm 軸力計か、等級・厚さ・表面処理が同等の模擬プレートで、締付け手順 2〜14 を調整したやり方で少なくとも Table 8 の回転量まで回します。試験後にナットを外してねじ山を調べ、一人が延長パイプなしの普通のレンチで、ナットを試験位置より先まで回して戻します。「ごくわずかな力」を超える力が要れば、ねじ山は損傷とみなします。 ねじ山が損傷していたり検証トルクに届かなかったりすれば、そのロットは不合格です(§6.8)。小規模な工事では現実的でないこともあると指針は認め、経済的に見合う大規模工事での実施を勧めています。
点検で何を見るか:ナットは 2 個とも確認する
締めた接合も供用中に緩むことがあります。グラウトを詰めない二つ目の理由が効いてくるのはここです。§12.3.1 は、上ナットとレベリングナットのどちらが緩んでも荷重の再配分とアンカーロッドの過大応力につながるとし、ハンマーでの打音か大きなレンチで確認するとしています。 §16.2.2 はさらに具体的で、古い片持ち支柱の多くはアンカーロッドが合計 4 本しかなく、ナット 1 個の緩みや欠落で残り 3 本が過荷重になりうると書いています。
照明柱には別の注意もあります(§12.3.3)。高さがそれほどない照明柱(指針の例では 40 ft 未満程度)ではアンカーボルトの点検にカバーを外す必要があることがあり、柱は弱い風でもわずかに揺れるため、アンカーボルトのナットは点検の最初と最後に確認するよう勧めています。 レベリングナットも手が届けば確認します。指針の Figure 28 は高マスト照明柱でレベリングナットが緩んでいる写真です。
ここで冒頭のすき間に戻ります。プレートの下が空いていれば、点検者がレベリングナットを叩き、回せる可能性があります(指針の条件は「手が届けば」です)。グラウトで埋めると、指針の言うとおり下ナットは点検も締め直しもできなくなります。 締付け順序と締め直しについては当サイトのなぜ順序どおりに締めるのか、そしてなぜ後から締め直す継手があるのか、 「密着」という語の RCSC 規格での意味は最も信頼できる予張力導入法の原点は、鉄骨工が全力を出すことである、 柱脚アンカーボルトの位置ずれは鉄骨柱脚のアンカーボルト、半数が管理許容差 ±3 mm の外をご覧ください。
このページから言えないこと
指針は 2005 年版で、FHWA のサイトではアーカイブ扱いです。現行の AASHTO の標識・照明・信号支持構造の基準は当サイトでは全文を読んでおらず、両者が一致するかは確認していないため本ページの範囲外です。 日本や台湾の照明柱・信号柱の基準も扱っていません。原文には不明確な点が二つあります。テーパー座金の基準は §6.7 と Table 8 注 c では 1:40、§6.9 手順 11 では 1:20 です。 Table 8 は「1½ 未満」「1½ 超」と印刷されており、ちょうど 1½ in がどちらに入るかは書かれていません。Tv の試算は有効断面積を仮定しており、指針は断面積を指定していません。 「高く上げるほど露出長さが長くなる」は指針の一文を当サイトが読んだもので、指針に計算はありません。アンカーロッドと基礎の設計耐力やロッドの本数は構造設計の問題で、本ページは設計上の助言をしません。 TxDOT のページはテキサス州の照明マニュアルとしての記述です。
この記事は六つの手順のどれか一つには収まりません。手順をまたいで出てくるか、組み付けたあとに出てくる話です。ここに行き着く判断がどこで下されているかはねじの決め方にまとめてあります。
よくある質問
照明柱のベースプレートとコンクリートの間のすき間はグラウトで埋めるべきですか?
まず接合形式を確認してください。プレートがレベリングナットに載るダブルナット・モーメント接合なら、FHWA の 2005 年の指針は一般にグラウトを推奨していません。ひび割れて水を保持し腐食を進めるおそれがある、下ナットを点検・締め直しできなくなる、レベリングナット下面がコンクリート面からロッド径を超えて高くなるおそれがある、という理由です。プレートがグラウトパッドに載るよう設計された形式なら、逆にプレートとグラウトが密着していなければなりません。実際の扱いは管理者と設計図に従ってください。
レベリングナットはコンクリート面からどこまで上げてよいですか?
FHWA の指針 §5.4 では、レベリングナット下面はふつうコンクリート面から約 6 mm に置き、アンカーロッド径 1 本分を超えてはならないとしています。ロッドが受けるせん断と曲げを抑えるためです。1 in のロッドなら上限は約 25 mm です。
ダブルナットのアンカーロッドはどこまで締めればよいですか?
指針はナット回転法です。上下のナットをスターパターンで検証トルク Tv の 20〜30%(密着)まで締め、上ナットを Table 8 の回転量だけ回します。たとえば径 1½ in 未満の F1554 Grade 55 なら 1/3 回転、許容差 +20° です。クレーンを外した後と 48 時間以上後に、さらに締めるのに Tv 以上、1.1 Tv 以上が必要かをトルクレンチで確認します。
下のナットも点検する必要があるのはなぜですか?
レベリングナットが緩んでも、上ナットと同様に荷重がほかのロッドに移ります。指針は、古い片持ち支柱の多くはロッドが 4 本しかなく、ナット 1 個の緩みで残り 3 本が過荷重になりうるとしています。Figure 28 は高マスト照明柱でレベリングナットが緩んでいた例です。
参考資料
- Garlich MJ・Thorkildsen ET(2005)—— Guidelines for the Installation, Inspection, Maintenance and Repair of Structural Supports for Highway Signs, Luminaires, and Traffic Signals、FHWA NHI 05-036(FHWA サイトでは ARCHIVED)
- TxDOT —— Highway Illumination Manual、Grout(オンライン版、Manual Notice 2018-1)
- なぜ順序どおりに締めるのか、そしてなぜ後から締め直す継手があるのか
- 最も信頼できる予張力導入法の原点は、鉄骨工が全力を出すことである
- 鉄骨柱脚のアンカーボルト、半数が管理許容差 ±3 mm の外:12 物件の実測で間柱の 23% が 10 mm 超
- クレーンが手を離す前に、ボルト二本
FHWA の指針は当サイトで全文を読んでおり、ページ番号は印刷ページです。Table 8 はページ画像でも確認しました。NCHRP Report 412・469 と Till・Lefke 両氏の研究は指針からの孫引きで、原典は読んでいません。角度への換算、ロッド径 1 本分の mm 換算、Tv の試算(有効断面積の仮定を含む。式は As=0.7854(D−0.9743/n)²)は当サイトによるものです。
お問い合わせ
同じ工事で使うナット、座金、小径のねじが必要な場合は、ねじの呼び、強度区分、表面処理、数量をお知らせください。アンカーロッド本体の仕様は設計者の指定に従ってください。その条件でご案内します。
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