ハイアット・リージェンシーの空中歩廊はなぜ崩落したか:先に壊れたのはロッドの破断ではなく、ナットと座金が 4 階ボックス梁を抜けた接合部。推定平均耐力 83 kN、当時の規準では 302 kN 以上

1981 年 7 月 17 日、カンザスシティのハイアット・リージェンシー・ホテルのアトリウムで 2 層の空中歩廊が落下しました。米国標準局(NBS)の報告書は死者 113 人、負傷者 186 人と記録しています。報告書の要旨で最も覚えやすいのは、吊りロッドを 1 本から 2 本に変えたことで 4 階の接合部の荷重が「essentially doubled」(実質的に倍になった)という一文です。それ自体は正しいのですが、壊れた場所をもう一度見る価値があります。崩落はロッドの破断やナットの破壊から始まったのではなく、ロッド端部のナットと座金が、4 階ボックス梁のフランジ、溶接、ウェブごと抜けたことから始まりました。NBS は実験から 4 階の 6 か所の接合部の平均終局耐力を 83 kN と推定しました。崩落時に最も重かった接合部の推定荷重は約 95 kN、当時の規準どおりに設計していれば少なくとも 302 kN が必要でした。本ページではこれを締結部の問題として読みます。荷重はどう倍になったか、抜けたのはどの鋼材か、座金とナットの条件はそれぞれどれだけ効くか、当初設計なら足りたのか。読了まで約 8 分です。

鋼製ボックス梁の端部の断面。ねじ棒が上から天面中央の溶接線と梁の内部を通り、梁の下で座金と六角ナットに受けられている。座金の周りの底板が上向きにめくれて裂け、裂け目が赤で示されている(模式図)。

「1 本を 2 本に」は報告書でどう書かれているか

アトリウムには 2 階、3 階、4 階の 3 本の空中歩廊がありました。2 階の歩廊は 4 階の歩廊の真下にあり、4 階の歩廊から吊られていました。 4 階の歩廊は 6 本の吊りロッドで屋根架構から吊られています。3 階の歩廊は位置がずれていて、別の吊りロッドで屋根から独立に吊られており、崩落していません。

契約図面に描かれていたのは連続した 1 組の吊りロッドです。屋根から下りて 4 階のボックス梁を貫通し、さらに 2 階のボックス梁を貫通します。 各ボックス梁はその下の座金とナットに載り、自分の荷重を直接ロッドに渡します。施工中、鉄骨製作会社が作成した製作図では 2 組のロッドに変わりました。 1 組は 4 階ボックス梁から屋根まで、もう 1 組は 2 階ボックス梁から 4 階ボックス梁までで、下側はボックス梁の軸方向に 4 in(102 mm)内側へずれています。 報告書によれば、これらの製作図には施工者、構造技術者、建築家の確認印がありました。

荷重が倍になる仕組みは、仮の小さな数字で確かめられます。仮に、各層の歩廊が 1 か所の吊り点に掛ける荷重をどちらも 1 とします。 当初設計では、屋根から 4 階までのロッド区間には 2 が掛かりますが、4 階ボックス梁を支えるナットが伝えるのは 4 階自身の 1 だけで、2 階のナットも 1 です。 2 本に変えると、2 階の 1 はまず下側のロッドで 4 階ボックス梁に渡り、4 階ボックス梁が 1+1 をまとめて上側のロッドに渡します。4 階ボックス梁を支えるナットが伝えるのは 2 になります。

報告書 §10.5 も同じことを述べています。報告書の設計荷重の比較では、配置を変えても上下それぞれのロッド区間の荷重は変わらず、2 階の接合部の設計荷重も変わりません。 倍になったのは、4 階ボックス梁から上側ロッドへ荷重を渡す箇所です。公称固定荷重と規準の積載荷重で計算すると、その箇所の設計荷重は約 20.3 kips(90 kN)から 40.7 kips(181 kN)になります。 ロッドの各区間の力は同じで、ナットと座金が押し上げているボックス梁の部分が伝える力が倍になったわけです。

左右に 2 つの吊り構造の立面が並ぶ。左は 1 本の連続ロッドが上下 2 本のボックス梁を貫通し、各梁の下にナットと座金がある。右は上側のロッドの下端が梁下のナットと座金で上の梁を支え、少しずれた下側のロッドが上の梁から下の梁を吊っていて、上の梁の下のナットが赤で示されている。
左:契約図面の連続ロッド。各ボックス梁の下のナットは自分の層だけを支える。右:製作図で 2 本のずらしたロッドに変更され、上のボックス梁の下のナットが 2 層を支える(配置は NBS BSS 143 §3.3、§10.5 の記述による。模式図で縮尺は正確ではなく、実際の部材形状でもありません)。

壊れたのはナットと座金が押し上げていたボックス梁の部分

荷重が倍になったとき、先にもたなくなったのはどこか。まず接合部の形を見ます。ボックス梁は 2 本の MC8×8.5 溝形鋼をフランジの先端どうしで突き合わせ、 連続した長手方向の溶接でつないだもので、梁の上面と下面の中央にそれぞれ継ぎ目があります。孔の配置について報告書は図 3.10 を参照させており、 孔が継ぎ目の上にあると文章で直接は書いていません。ただし NBS の試験体では内側の溶接を「外側の孔の中心線まで」置き、穴あけの際に孔の位置の溶接を除去しています。 崩落後の下側の長手溶接も孔から割れていました。当サイトはこれらから、ロッドは継ぎ目を貫通していたと読んでいます。 ロッドは直径 1 1/4 in(32 mm)で両端にねじが切られ、ナットと座金が付きます。NBS は残骸のナットを測って 1 1/4 in の重六角ナットと判断し、 座金は硬さ試験で硬化座金と確認しました(平均 41.6 HRC)。

崩落後、4 階の上側ロッドはすべてボックス梁の下フランジと上フランジを抜けていました。下フランジは上向きにめくれ、ウェブはフィレット線の上で局部降伏し、 下側の長手溶接は内側の孔まで、場所によってはさらに先まで割れていました。壊れたのは 1 枚の板ではなく、フランジ、溶接、ウェブがまとめて道をあけた形です。 フランジの座金と接する面には、えぐられた跡が段々に残っていて、報告書は硬化座金が比較的軟らかいフランジに食い込み、滑っては止まり、また滑る(slip-stick)形で抜けたと読んでいます。

ロッドそのものの照査結果はこうです。当時の AISC 仕様では 1 本あたりの許容引張力は 21.3 kips(95 kN)で、上側ロッドに設計上必要な 40.7 kips を満たしません。 報告書は公称固定荷重による設計照査で、固定荷重だけで許容値の約 75% を使うとしています。下側ロッドは満たしています。ロッドも足りなかったのは確かですが、崩落はロッドの破断から始まったのではなく、先に壊れたのは接合部でした。 報告書 §9.3.2 は接合部について、この詳細は AISC マニュアルが示す接合詳細に含まれず、スチフナも支圧板もなく、 「溝形鋼のフランジだけで」ロッドの集中荷重をウェブへ伝えており、この種の接合部の設計に関する AISC の趣旨を満たさない、と判断しています。

材料については、調査した溝形鋼とロッドの化学成分と引張性質は ASTM A36 を満たし、座金はすべて取り付けられていました。一方で長手溶接の継手形状は、報告書が適用した事前認定の部分溶込み溶接の要件を満たしていませんでした。 NBS は、材料と施工品質は崩落の開始に大きな役割を果たさなかったと結論づけています(§10.6)。接合部が足りなかった主な理由は、詳細そのものにありました。

3 つの比較値:推定耐力 83 kN、推定荷重 95 kN、規準上の期待値 302 kN

この種の接合部がどれだけもつかについて、報告書は、検証された解析モデルか試験データがなければ耐力は合理的に確定できないとしています。 そこで NBS は自ら試験を行いました。短いボックス梁 60 体、全長のボックス梁 7 体、さらに 3 階歩廊から取り外したボックス梁で全長 1 体と短い試験体 4 体です。 終局耐力は主に外側のロッド孔から梁端までの溶接面積(内外の溶接を合計した指標面積 A、単位 mm²)で変わり、硬化座金を使った 2 本ロッド接合部の回帰式は P(kips)=13.18+0.0391A、相関係数 0.87(試験 35 体)でした。

4 階ボックス梁と吊りロッドの接合部:耐力と荷重(NBS BSS 143、§6.13、§9.3.1、§10.2、§10.3)
項目値説明
6 か所の接合部の平均終局耐力(回帰による推定)18.6 kips(83 kN)各接合部 18.2〜19.3 kips。9UE の単一試験値の 95% 範囲 16.2〜20.2 kips
崩落時に最も重かった接合部(8UE)の推定荷重21.4 kips(95 kN)固定荷重 18.9 kips+積載荷重の上限 2.5 kips
設計荷重(公称固定荷重+規準の積載荷重)40.7 kips(181 kN)積載荷重 100 psf。報告書は公衆の集まる場所と判断し、当時の UBC により低減なし
当時の規準どおりに設計した場合の終局耐力68 kips(302 kN)以上40.7 kips × 安全率 1.67

3 つの数字を並べると、崩落時の推定荷重は設計荷重の 53%、規準上期待される終局耐力の 31% にすぎず、歩廊は設計値よりずっと小さい荷重で落ちたことになります。 一方で、積載荷重を上限とした場合、崩落時の荷重はどの接合部の推定平均耐力も上回っていました。固定荷重だけを見ても、8UE と 10UW を除く各接合部の平均耐力は固定荷重と「同じか、わずかに上回る」程度です。 報告書の要旨は、これらの歩廊は完成した日から自重をかろうじて支える能力しかなかった、と書いています。

崩落時に何人が歩廊にいたのか。報告書はテレビ局の録画を読み取り、2 階の歩廊に約 40 人、2 層合わせて 63 人を信頼できる上限としています。 どれか 1 か所の接合部が壊れると荷重は他のロッドに移り、他の接合部には余裕がないため、連鎖的に壊れます。物的証拠は、4 階の中央ボックス梁の東端(9UE)が最初に壊れたことを強く示しています。

ナットと座金の側で、試験は何を変えたか

締結部に話を戻します。抜けたのがナットと座金なら、座金やナットを変えれば効いたのでしょうか。NBS は当時ありえた条件とその耐力への影響を評価するため、これらの条件も試しています。

短いボックス梁試験における締結部側の条件の影響(NBS BSS 143、§6.10.5。同じ溶接面積で比較)
条件比較結果特別試験体数
座金の有無上側ロッドのナットとボックス梁の間の座金を省略(下側ロッドには座金を使用)約 2.5 kips(11 kN)低い3
座金の硬さ非硬化 vs 硬化非硬化が約 2.0 kips(9 kN)低い複数
座金の厚さ非硬化座金の約 4.6 mm vs 約 3.8 mmばらつきの範囲内で、明確な改善は確認されなかった1
ナットの面取り歩廊の実物に似せた丸い面取り vs 通常の面取り低下する可能性はあるが、ばらつきの範囲内。差の値は示されていない2
ナットの向き六角の 2 面が梁軸に平行か直角か(非硬化座金)本試験では重要な条件とはみなされなかった3
ロッドの配置単一ロッド(当初設計型)vs 2 本単一ロッドが約 2.0 kips(9 kN)高い4

差の値が示されているのは、座金の省略 2.5 kips、非硬化座金 2.0 kips、単一ロッド 2.0 kips の三つで、厚さ、面取り、向きについては明確な差の値はありません。 接合部の平均は 18.6 kips、規準上の期待値は 68 kips で、差は約 49 kips あります。値のある三つの条件は、それぞれこの差の 4〜5% ほどです。 これは報告書の数値を当サイトが割ったもので、報告書自体はこの比較をしておらず、試験で扱った変更の範囲に限られます。この詳細では、試した座金とナットの条件のどれも、接合部の不足に近い大きさではありませんでした。

座金にはもう一つ細部があります。歩廊の実物の座金を使った試験では、全長梁 KCL と短梁 KC1、KC2、13 の 4 回で座金の破断が記録され、NBS が購入した硬化座金は 1 枚も割れませんでした。 割れはどれも荷重がピークを過ぎた後に起きたため、報告書はそれをピーク耐力を決めた原因とは扱っていません。調べた 1 枚(9MW)の破面は粒界破壊とへき開が主体で、引き伸ばされた硫化マンガンの介在物が見えましたが、他の座金の破面形態は一様ではありません。 残骸では 8UE と 9UE の座金がなくなっていましたが、報告書はフランジの圧痕から当初は取り付けられていたと判断し、崩落時に割れて失われたと推定しています。

表の「単一ロッド」は、当初設計を 1 本のロッドの力だけを受ける接合部として試したもので(下側の孔はあけたまま荷重は掛けない)4 体しかなく、報告書は 2 本ロッドの回帰から外し、「約 2.0 kips 高い」という差だけを当初設計の耐力推定に使っています。 座金の厚さは 1 体、ナットの面取りは 2 体で、報告書自身も「appears」「may」と書いています。本ページはその強さのまま紹介しています。

当初設計でも、規準上の期待値の約 6 割

荷重が倍になったのは図面変更のせいですが、では元の連続ロッドなら足りていたのか。報告書の答えは二つに分かれます。

当初設計の各接合部の設計荷重は約 20.3 kips(90 kN)で、規準上必要な終局耐力は少なくとも 1.67 × 20.3=33.9 kips(151 kN)です。 試験から推定した単一ロッド接合部の平均終局耐力は約 20.5 kips(91 kN)で、必要値の約 60%しかありません。 3 階の歩廊は固定荷重と設計積載荷重が大きいため、同じ詳細で約 53% でした。報告書は、配置を変えていなければ 3 階が 3 本のうち最も厳しい(most critical)歩廊になっていた、と書いています。

もう半分は、当初設計の連続ロッドなら、ボックス梁とロッドの接合部は崩落当夜の推定荷重に耐えられた、という結論です(要約の結論 8)。この結論は報告書が比較した接合部の耐力に限られ、 当初設計が規準を満たしていたという意味でも、構造全体の安全を保証するものでもありません。配置の変更が、もともと足りない接合部を、自重さえやっとという位置まで押しやったわけです。二つとも報告書の結論にあり、片方だけを伝えると事実がゆがみます。

締結部の側から持ち帰れる四つのこと

以下は当サイトの読み方で、報告書が締結部の利用者向けの提言として書いたものではありません。

  1. ナットと座金は、それが押し当たる板に力を渡す。接合部の上限はその板と周りの溶接、ウェブにあることがある。この事例では、崩落はロッドの破断やナットの破壊から始まったのではなく、ナットと座金がボックス梁を抜けました。照査は荷重の経路に沿って、座金が押し当たるフランジ、溶接、ウェブまで続ける必要があります。
  2. 変えたのが「配置」でも、荷重は変わる。報告書の設計荷重の比較では、各ロッド区間の荷重は変わらず、4 階ボックス梁を支えるナットの荷重は倍になりました。同じ種類のロッドとナットでも、配置が変われば接合部が伝える力は変わります。変える前に何を検証し直すかは、ねじを変える前に、何を検証し直すことになるかを確かめるを参照してください。
  3. 座金は効くが、この詳細では効き方に限りがある。座金をなくすと約 2.5 kips、非硬化座金にすると約 2.0 kips 下がり、座金が耐力に影響するのは確かです。ただし差は約 49 kips ありました。座金の仕様と役割は座金の仕様の読み方を参照してください。
  4. 集中荷重は、部材が受けられるところへ分散させる必要がある。報告書は AISC の支圧スチフナの規定を引き、この接合部にはスチフナも支圧板もなかったと指摘しています。付ければ足りたかは報告書では検証されていません。締結部に届く力が加えたつもりの力と違うという点では、別の仕組み(プライイング作用、てこ作用)もあります。ボルトが見ている力は、あなたが加えた力の二倍かもしれませんを参照してください。

このページから言えないこと

NBS の報告書は技術調査であり、本ページは報告書から責任の所在を推定しません。誰がなぜ図面を変えたかにも触れません。製作図を誰が確認したかは、報告書の「確認印によれば」という書き方のまま紹介しています。 接合部の耐力は NBS が製作した試験体の回帰によるもので、歩廊の実物(ボックス梁、ナット、座金がすべて実物)を使ったデータは 3 点だけです。結果は信頼帯の内側かやや上にあり、 歩廊の溝形鋼のウェブは NBS の試験体よりわずかに厚かった(0.190 in 対 0.184 in)ため、実際の耐力は推定値よりやや高かった可能性があります。積載荷重には 63 人という上限を使っており、実際の人数はもっと少なかったかもしれません。 安全率 1.67 は報告書が当時の AISC 許容応力度設計の規定から取った最小値です。本ページは現行規準を照合しておらず、現行の設計根拠としては扱いません。座金の厚さとナットの面取りの結論は試験体 1〜2 体によるものです。 孔が溝形鋼の継ぎ目にあったというのは、報告書の間接的な記述から当サイトが読み取ったものです。死者数は報告書の記載どおり 113 人としています。

この記事は六つの手順のどれか一つには収まりません。手順をまたいで出てくるか、組み付けたあとに出てくる話です。ここに行き着く判断がどこで下されているかはねじの決め方にまとめてあります。

よくある質問

吊りロッドを 1 本から 2 本に変えて、ロッドの荷重は変わらないのに、なぜナットは倍を伝えるのですか?

当初設計の連続ロッドは 4 階と 2 階のボックス梁を貫通し、各ボックス梁の下のナットは自分の層だけを支えます。2 本に変えると、2 階の荷重はまず下側のロッドで 4 階ボックス梁に渡り、4 階ボックス梁が 2 層分をまとめて上側のロッドに渡すため、4 階ボックス梁を支えるナットと座金が 2 層分を伝えます。NBS 報告書 §10.5 は設計荷重の比較で、上下のロッド区間の荷重は変わらず、4 階接合部の設計荷重が約 20.3 kips から 40.7 kips になったとしています。

吊りロッド自体は規準を満たしていましたか?

一部は満たしていません。当時の AISC 仕様ではロッド 1 本の許容引張力は 21.3 kips で、4 階から屋根までのロッドに必要な 40.7 kips を満たさず、2 階から 4 階までのロッドは満たしていました。ただし崩落はロッドの破断から始まったのではなく、4 階の上側ロッドはボックス梁の下フランジと上フランジを抜けていました(残骸では 8UE と 9UE の座金がなくなり、9UW の座金は一部が欠けていました)。

もっと厚い座金や硬化座金にしていれば防げましたか?

歩廊ではもともと硬化座金が使われていました。NBS の試験では、座金をなくすと耐力は約 2.5 kips、非硬化座金にすると約 2.0 kips 下がりました。非硬化座金の約 4.6 mm と 3.8 mm の比較は試験体 1 体で、ばらつきの範囲内でした。接合部の平均耐力は 18.6 kips、規準上の期待値は 68 kips 以上で、差は約 49 kips です。当サイトの読み方では、試した締結部側の条件ではこの差は埋まりません。報告書が指摘した問題は、接合部にスチフナも支圧板もなかったことです。

当初設計どおりなら落ちなかったのですか?

報告書の結論では、当初設計の連続ロッドなら、ボックス梁とロッドの接合部は崩落当夜の推定荷重に耐えられました。ただしその終局耐力は規準どおりの設計で期待される値の約 60% で、規準は満たしていません。この結論は接合部に限られ、当初設計が規準を満たしていたことや構造全体の安全を意味するものではありません。

参考資料

NBS 報告書は正誤表を含めて全文を当サイトで読んでいます。正誤表は §9.3.3 の引張応力面積の式を訂正していますが、本ページでは再計算せず、報告書記載のロッド許容引張力 21.3 kips を引用しています。kips と kN の対応は報告書の表記どおりです。83 kN は回帰による推定平均値、95 kN は積載荷重の上限を用いた最大推定荷重、302 kN は当時の規準に基づく設計で期待される最低終局耐力です。21.4÷68、20.5÷33.9、締結部側の条件が差に占める割合は、報告書の数値を当サイトが割ったものです。「各層 1」の例は仮定です。「締結部の側から持ち帰れる四つのこと」は当サイトの読み方で、報告書の提言ではありません。現行規準は照合していません。

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接合部のボルト、ナット、座金の仕様を変更する場合は、お見積りの際に寸法、強度区分、接合部での力の受け方をお知らせください。その条件に合わせて選択肢をご案内します。接合部そのものの耐力は、設計を担当する技術者の判断が必要です。

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