極小ねじの寸法表:M1–M5、そして表が語らないこと

表はすぐ下にあります——M1 から M5 までの各 ISO 寸法について、 並目ピッチ、かみ合い山数、切削タップの下穴径。読む価値があるのは表の下の段です。 ピッチは直径に比例しません。M1 から M5 で直径は五倍になりますが、ピッチは三倍あまりです。 そのため「何倍径」という形で書かれたかみ合いの規則は、 小さい寸法では、規則を書いた人が想定したより少ない余裕しか渡しません。 小さいねじの挙動を変えているのはこの点であって、表の数値そのものではありません。

「極小」に定義はない

正式な定義はありません。極小、ミニ、小ねじ、精密はいずれも業界の言い方であって規格ではなく、 話す人によっておおよそ M0.6 から M2 のあたりを指します。 時計メーカーと板金メーカーで「小さい」の始まりが一致することはありません。

表に出てこない三つ目の事情があります。 M1.7 は JIS の寸法で、供給側は JCIS、ピッチ 0.35 mm と表示します。 M2.2 は流通のカタログには載りますが、ISO にも JIS の選択寸法表にもありません。 購買からはどちらも在庫が見えるので、よくある寸法だと受け取られます。 それは流通の在庫であって、工場が常備している線材ではありません。 当社はどちらも常備しておらず、数量が棚の一箱から量産ロットに変わった時点で、 線材と金型の手配は ISO の第二選択寸法とまったく同じ順番を通ります。

そのため驚きは遅れてやって来ます。サンプルは棚から三日、最初の量産は六週間。 流通に在庫があるという事実が語っているのは流通のことで、その背後の供給網のことではありません。

部品を実際に指定するのは、ねじの表示と頭部規格の組み合わせです。 M1.6 × 0.35 と ISO 7045 なべ頭で一つの部品になります。 「極小ねじ」は分類です。 検索は形容詞で、発注は表示で。

M1 より下で変わるのは寸法だけではなく供給網です。 それより細いねじは存在し、作る人もいますが、線材を引ける製鋼所が減り、 金型を持てる工場が減り、測定は光学へ移ります。 量産という条件のもとでは M1.0 が実務上の床であり、 M1.6 と M2 は費用、入手性、納期が同時に楽になる範囲です。

M1 から M5:ピッチ、山数、下穴

ISO メートル並目、M1 から M5
呼び 並目ピッチ ISO 261 の選択 1×D かみ合いの山数 下穴(切削タップ、≈ D − P)
M10.25第一選択4.00.75
M1.20.25第一選択4.80.95
M1.40.3第二選択4.71.10
M1.60.35第一選択4.61.25
M1.80.35第二選択5.11.45
M20.4第一選択5.01.60
M2.50.45第一選択5.62.05
M30.5第一選択6.02.50
M3.50.6第二選択5.82.90
M40.7第一選択5.73.30
M50.8第一選択6.254.20

寸法の単位はミリメートルです。下穴の欄は鋼へ切削タップを立てるときの D − P 近似であり、 出発点であって仕様ではありません。 盛り上げタッピンねじが要求する穴はまったく別で、樹脂と鋳物でもう一度動きます。 あれは直径の問題ではなくトルクの問題で、導出は 下穴径のページにあります。

面白いのは山数の欄のほうです

あの欄を上から下へ読むと形が見えます。同じ 1×D という規則が、 M1 では 4.0 山、M5 では 6.25 山を渡します。 規則は変わっていません。変わったのはピッチの伸びが直径より遅いことで、 ×3.2×5 です。 小さい側では、同じ呼びのかみ合いが少ない山に配られます。

経験則は下へ移っていき、誰も導き直しません。 1×D という数字は、金物寸法の鋼対鋼から来ています。M1.4 に当てると、 渡される有効山数は M3 のときより五分の一ほど少なくなりますが、 規則は守られているので、経路上の誰も気づきません。 何に置き換えるかは かみ合い長さのページで扱っています。

二つ目の帰結はめっきに出ます。皮膜の厚さも部品に合わせて縮まないので、 同じ数ミクロンが、M1.6 ではねじ公差のうち M5 よりはるかに大きな割合を占めます。 大きい部品から写しためっき仕様が、入らない部品になる経路がこれです。 この失敗には専用の頁があります。 めっきとねじ公差

そしてあの寸法表は、設計文書ではないと分かります

ISO 261 は寸法を第一選択と第二選択に分けており、この区別は見積りの段階で効きます。

  • 第一選択——M1、M1.2、M1.6、M2、M2.5、M3、M4、M5。線材、金型、ねじゲージ、めっき治具は既定でこちらに合わせて用意されています
  • 第二選択——この範囲では M1.4、M1.8、M3.5。完全に標準で、まったく正当で、当社も作ります。ただし金型と線材は受注してから手配するもので、常備ではありません

同じ数量なら、この差は納期と価格に出ます。品質には出ません。 設計がまだ凍結していないなら、そして第二選択を選んだ特段の理由がないなら、 隣の第一選択へ一段ずらすことが、この案件で最も安い変更であることが多いです。 理由があるなら——M1.6 が入らない場所に M1.4 は入るので、実際よくあります—— 前もって織り込む納期というだけです。 困るのは、図面が出たあとでこの区別を知る場合です。

ねじは頭より下まで行く:M1、M1.2、M1.4 の頭は規格にない

上の表の左端が M1 から始まるのは、 ISO 261 のねじがそこまで行くからです。 頭部の製品規格が同じところまで下りているとはかぎりません。

M1 から M5 までの寸法数直線。三本の線分がそれぞれ別の位置から始まる。ねじの ISO 261 は M1 から、十字穴なべ頭の ISO 7045 は M1.6 から、ヘキサロビュラ穴付き円筒頭の ISO 14580 は M2 から。破線が M1 から M1.4 を囲み、そこを通るのはねじの線だけ
三つの規格の下端は別の位置にあります。破線で囲んだ三つの寸法を通るのは、ねじの線だけです。
規格何を決めるか最小
ISO 261メートル並目の系列(ねじ)M1
ISO 7045十字穴なべ頭(頭)M1.6
ISO 14580ヘキサロビュラ穴付き円筒頭(頭)M2

したがって M1M1.2M1.4 の三寸法では、ねじには引ける規格があり、 頭にはありません。図面に「ISO 7045 M1.4」と書くことは、 その寸法を含まない文書を引くことです。

作れないという意味ではなく、頭の寸法が図面と供給者のあいだの事項になるという意味です。 頭の径、頭の高さ、溝の深さは自分で記入するか供給者と決めるかで、規格番号に任せられません。 そしてこの範囲は当社の量産帯の中心です。 M1.0–M5.0 のうち最も小さい三つが、ちょうど頭部規格の下端の外側に落ちています。

上の二つの範囲は ISO の目次と公開要約から読んだもので、当サイトはこの二つの条文を読んでいません。 ISO 7046(皿頭)と DIN 84(円筒頭)の下端は調べていないので挙げません。

強度区分の側も、同じ M1,6 で切れます

前の節は頭部の寸法でした。材料の性質の側も、同じところで切れます。

ISO 898-1:2013 の第 1 項、適用範囲は具体的です。 炭素鋼および合金鋼のボルト、ねじ、スタッドに適用され、ねじ山は ISO 68-1 により、 寸法の境界はこう書かれています。

with coarse pitch thread M1,6 to M39, and fine pitch thread M8×1 to M39×3

並目は M1,6 から始まります。 したがって M1M1,2M1,4 の三寸法には、この文書のなかに強度区分がありません。 8.8 も 4.8 もありません。低い区分なのではなく、範囲の外です。

同じ項には、併せて知っておく価値のあることが三つあります。

  • 引張応力を受けない止めねじの類には適用されません。それらは ISO 898-5 へ送られます
  • 耐食性と溶接性は規定しません。「8.8」を買っても防錆は買えません。 それは別の規格の仕事です
  • 低頭と皿頭は、この規格の引張またはねじり要求を満たさないことがあります。 頭部のせん断面積がねじ部の応力断面積より小さいからで、規格は適用範囲のなかでこれに触れ、 第 8.2 項を指しています。極小寸法では頭がもともと薄いぶん、出会う機会が増えます

M1,6 という数字は、これで三度目です。 頭部の寸法がここで切れ(前の節)、 公差等級の既定値がここで切り替わり、 強度区分がここから始まります。三つの別々の文書が、同じ一点を境にしています。 M1,6 より下は「小さい標準品」ではなく、規格体系の覆いが薄くなる区間です。

実務上の書き方はこうなります。この寸法帯では区分の記号に頼らず、 材質、状態、確認する性質を図面に直接書いてください。 線材の仕様、熱処理の状態、硬さまたは引張の判定方法と抜取りです。 当社の量産範囲は M1.0 から M5.0 で、見積りのときにここを尋ねるのは、 下半分で記号がつながらないからです。

表では決まらないこと

ねじの表示はねじを固定します。それ以外は何も固定しません。

同じ M2 のねじ、別の部品
寸法が固定しない項目実際にどこから来るか
頭の径と高さ頭部規格——ISO 7045 なべ頭、ISO 7046 皿頭、DIN 84 円筒頭
溝の形と深さ駆動部の表示。この寸法帯では、カムアウトするかどうかがここで決まります
ねじの公差等級6g、4h など。ISO 965-1 の表 1 では、位置 f はピッチ 0,35 から、位置 e は 0,5 から現れます。M1,4(ピッチ 0,3)以下で外ねじに選べるのは g と h の二つだけで、ピッチ 0,2 の細目には公差等級 4 しか定義されていません
材質と表面処理まったく別の二つの規格

二つの部品が同じねじの表示を共有していて、あなたの組立では互換でないことがあります。 直径だけでなく表示全体をどう読むかは ねじ仕様の読み方に、 小さい寸法で駆動部の形が思われている以上に効く理由は 十字穴のカムアウトにあります。

この記事は手順 2、ねじを扱います。全体の順序は相手材、ねじ、頭部、駆動部、表面処理、書類で、これを崩すと微調整ではなく手直しになる理由はねじの決め方にあります。

よくある質問

メートルねじで最も小さいのはどれですか。

標準の ISO メートル系列で一般に入手できる最小は M1、並目ピッチ 0.25 mm です。それより細いねじは存在し、時計と光学では使われますが、通常の供給網からは外れます。線材を引ける製鋼所が減り、金型を持てる工場が減り、検査設備も別になります。量産という条件では M1.0 が実務上の床で、費用、納期、入手性が同時に楽になるのは M1.6 か M2 です。当社の量産範囲は M1.0 から M5.0、図面による特殊寸法も承ります。

ピッチは直径に比例して大きくなりますか。

なりません。小さい寸法について最も役に立つのがこの一点です。M1 から M5 で直径は 5 倍になりますが、並目ピッチは 0.25 mm から 0.8 mm で 3.2 倍です。かみ合いの規則はふつう「何倍径」と書かれるため、同じ 1×D が M1 では約 4 山、M5 では約 6.25 山を渡します。規則は守られているのに、渡される山数が違います。

なぜ第一選択の寸法のほうが見積りが良いのですか。

ISO 261 は寸法を第一選択と第二選択に分けています。第一選択の M1、M1.2、M1.6、M2、M2.5、M3、M4、M5 は、製鋼所、金型屋、めっきラインが既定で用意している側です。M1.4、M1.8、M3.5 のような第二選択もまったく正当で当社も作りますが、金型と線材は受注後の手配になります。差は納期と価格に出て、品質には出ません。

M1.4 に ISO 7045 と図面に書いてよいですか。

その寸法を含まない文書を引くことになります。ISO 261 のねじは M1 まで下りますが、十字穴なべ頭の ISO 7045 は M1.6 から、ヘキサロビュラ穴付き円筒頭の ISO 14580 は M2 からです。M1、M1.2、M1.4 ではねじに規格があり、頭にはありません。作れないという意味ではなく、頭の径、頭の高さ、溝の深さを図面に書くか供給者と決めるという意味です。この二つの範囲は ISO の目次と公開要約から読んだもので、条文は読んでいません。

M1.4 のねじに強度区分はありますか。

ISO 898-1 のなかにはありません。同規格の第 1 項は、並目 M1,6 から M39、細目 M8×1 から M39×3 に適用されると書いています。M1、M1.2、M1.4 は範囲の外で、低い区分が与えられているのではなく、覆われていません。この寸法帯では材質、状態、硬さまたは引張をどう確認するかを図面に書いてください。なお同規格は耐食性と溶接性を規定せず、低頭と皿頭は頭部のせん断面積が小さいため引張またはねじり要求を満たさないことがあると述べています。

寸法表に頭部の寸法も載っていますか。

載っていません。M2 × 0.4 のような表示はねじを固定しますが、それ以外は何も固定しません。頭の径と高さ、溝の形と深さは頭部規格から来ます。同じ M2 のねじが、なべ頭にも皿頭にも円筒頭にも現れます。材質と表面処理はさらに別の規格です。

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M6 以下のものを作っていますか。そこが当社の生産範囲です。 図面を送っていただくか、ねじの表示、頭部規格、年間数量だけでも構いません。 どれが第一選択で、どれが金型の手配を伴うかをお返しします。 隣の寸法に替えれば設計を変えずに安くなる場合は、そう申し上げます。

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