ねじの表示の読み方:M2×0.4×6 の各区間が言っていること

先に結論を書きます。ネットで見つかる表は、たいてい呼び径とピッチの二欄しか答えません。 実務で「測ると合っているのに付かない」荷物を生むのは、 表に印刷されていない欄のほうです—— 公差クラス、長さをどこから測るか、そして表面処理に余地を残してあるか。 この頁は、一本の表示を欄ごとに分解して、それぞれが何を管理しているかを書きます。

ノギスで測るのは、最も直感的な確認です

箱には M3 と書いてあり、手元にノギスがあります。 山を跨いで測って確かめる——五秒で済みますし、 工場のたいていの寸法では、それが正しい直感です。

測ると 3 mm に足りません。 合格した M3×0.5-6g を山で跨いで測れば、 2.874 から 2.980 mm のどこかに出ます。 ねじも正常、ノギスも正常です。

表示が言い終えているのは三つだけです

M2×0.4×6 という並びは三つのことしか言っておらず、 発注できる図面には少なくとも次の欄が要ります。

表示の欄と、書かなかった場合に起きること
書かないと
ねじの体系M=ISO メートルインチとメートルは山の角度もピッチの定義も違い、互換ではありません
呼び径2(mm)これは設計の基準であって、測って出るべき数値ではありません(下記)
ピッチ0.4(mm)省略すれば並目とみなされます。細目も同じく M2 と書かれ、ねじ込めば山を壊します
長さ6(mm)測る基準が頭の形で変わり、同じ数字が頭の形ごとに別の長さになります
公差クラス6g6h指定がなければ、めっきの余地について共通の理解がありません。量産の最初のロットで出ます
頭の形と駆動皿頭 90°、十字 PH1皿頭は座ぐりの角度とも合わせる必要があります
材質と等級ステンレス A2-70強度、耐食、磁性がすべて変わります
表面処理亜鉛めっき、化成処理、なし厚さがねじの余地を食べ、トルク係数も変えます

見積りのときに尋ねるのは、下半分のほうです。 頭の形、駆動、材質、表面処理、公差クラス—— どれ一つ、あの表示の文字列には入っていません。

呼び径は、測って出る外径ではありません

最もよくある誤判定がこれです。M2 の外径をノギスで測って 1.96 が出たので、不合格にする。

呼び径は設計の基準であって、目標値ではありません。 おねじでよく使う公差位置では、6g の上の許容差は負、 6h の上の許容差はゼロです。 つまり実際の外径は、もともと呼び径と等しいか、それより小さくなります。 設計されたもので、作り損ないではありません。

ですから「2.00 が出なければ不合格」という文そのものが誤りです。 合否は図面が指定した公差クラスで判定され、 しかもねじが主に管理しているのは有効径であって、外径だけではありません。 表示のなかの product grade も等級の話です—— product grade は公差の等級であって品質の等級ではありません

ピッチ:まず並目か細目かを決める

この節は、手元のものがメートルだと分かっている前提です。まだなら ピッチでは #10-32 と M5 を見分けられませんを先に—— あの二つは一山あたり 0.006 mm しか違わず、ピッチの測定に情報がありません。

ISO メートル並目のピッチ(当社の寸法帯。規格の原文が優先します)
呼び径並目ピッチ呼び径並目ピッチ
M10.25M2.50.45
M1.20.25M30.5
M1.40.3M40.7
M1.60.35M50.8
M20.4M61

細目は別の数字の組で、しかも図面に M3 とだけ書けば慣例として並目を指します。 細目が要るならピッチを書き出してください(たとえば M3×0.35)—— 見た目が非常に近く、ねじ込んで初めて分かり、その時点でどちらかの山が壊れています。

ピッチゲージがないときの測り方。

  • 最も確かなのはピッチゲージの当てはめです。一組のゲージは、どんな測定の工夫よりも確実です
  • ゲージがないなら、何山かの距離を測って割ります。山 10 個ぶんの距離を 10 で割れば誤差が平均されます。一山だけを測る方法は、小さい寸法ではほとんど当たりません
  • ⚠️ ノギスの刃が谷に入るかどうか自体が、一つの誤差要因です

長さ:基準は頭の形で変わります

同じ「6 mm」でも、頭の形が変われば別の長さです。 皿頭は穴に沈むので頭が長さに含まれ、測るのは全長です。 なべ頭のように頭が外に出るものは、測るのは頭の下からです。

この一項は見積りでも受入れでも実際に事故になっています。 発注の前に基準を一度合わせるほうが、あとでロットをめぐって議論するより安く済みます。

公差クラス:表にめっきの居場所はありません

6g6h の欄は 「どうせ標準だから」と省かれがちです。 しかしこの欄は、非常に具体的なことを決めています—— ねじにめっきの場所を残してあるかどうかです。 数字と文字は別々の問いに答えており、 余地を持っているのは文字のほうです。

片側の皮膜厚さ t は有効径をおよそ 4t 増やします。そして 6h の上の許容差はゼロ—— 差し引く余地がありません。 これは M1–M1.4 で特にはっきりし、 試作では出ず、量産の最初のロットで出ます

表がどこで止まるか

最後に、表そのものにも適用範囲があります。 小さい寸法へ行くほど、そのまま写せるものが減ります—— トルクと締付け力の標準試験方法は M3 から、 材料試験が要求する試験片は小さいねじからは取れないことがあります。

つまり治具、測定方法、合否の基準は両者の取り決めになります。 どの規格がどの寸法で止まるかは 規格はどこで止まるかにまとめました。

発注の前に埋めておく欄

  • ねじの体系とピッチ(細目なら必ず書き出す)
  • 長さと、測る基準(全長か頭の下からか)
  • 公差クラスと、めっきが前か後かで適合するのか
  • 頭の形、駆動形式。皿頭なら座ぐりの角度も一緒に
  • 材質、強度区分、表面処理
  • 検査文書の種類と、どの規格に対応するか

製品規格を引く標準品なら、この一覧を埋めれば表示はおおむね揃いますが、 見積り依頼としては半分です。 自分で描いた部品はさらに要ります——寸法と基準、幾何公差、表面粗さ—— それらを製品規格が供給してくれなくなるからです。 もう半分は、供給者が見積りのために使うもので、製造のためではありません—— 数量、日程、そして誰が何を検査するか。 これを落とすと、一回の見積りが三往復の質問に変わります。

参考資料

  • ISO 68-1 — メートルねじの基準山形
  • ISO 261 — メートルねじの一般用系列(直径とピッチの組合せ)
  • ISO 262 — ボルト、ねじ、ナットの選択寸法
  • ISO 965-1/ISO 965-2 — ねじの公差とその許容差

この頁が説明しているのは欄の意味と読み方です。 数値は規格の原文とあなたの図面によります。当サイトは根拠ではありません。

この記事は手順 6、書類を扱います。全体の順序は相手材、ねじ、頭部、駆動部、表面処理、書類で、これを崩すと微調整ではなく手直しになる理由はねじの決め方にあります。

よくある質問

M3 のねじをノギスで測ると 3 mm ありません。不良ですか。

不良ではない可能性が高いです。呼び径は設計の基準であって目標値ではありません。おねじの公差位置 6g は上の許容差が負、6h はゼロなので、実際の外径は呼び径と等しいか小さくなります。合格した M3×0.5-6g を山で跨いで測れば 2.874 から 2.980 mm のどこかに出ます。合否は図面が指定した公差クラスで判定され、ねじが主に管理しているのは外径ではなく有効径です。

図面に M3 とだけ書いたら、並目と細目のどちらになりますか。

慣例として並目です。細目が要るならピッチを書き出してください(たとえば M3×0.35)。見た目が非常に近いので、ねじ込んで初めて分かり、その時点でどちらかの山が壊れています。

ねじの長さはどこから測りますか。

頭の形で変わります。皿頭は穴に沈むので頭が長さに含まれ、全長を測ります。なべ頭のように頭が外に出るものは頭の下から測ります。同じ「6 mm」が頭の形ごとに別の長さになるので、発注の前に基準を合わせておくほうが、あとでロットをめぐって議論するより安く済みます。

公差クラスを省略すると何が起きますか。

めっきの余地について共通の理解がないまま進みます。片側の皮膜厚さ t は有効径をおよそ 4t 増やし、位置 h の上の許容差はゼロなので差し引く余地がありません。M1 から M1.4 で特にはっきりし、しかも試作では出ずに量産の最初のロットで出ます。クラスと、めっき前か後かで適合するのかを図面に書いてください。

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現物が一本あるだけで図面がない、という状況ですか。 サンプルをお送りください。 上の欄を一つずつ埋めてお返しします—— どの欄が測って出たもので、どの欄はそちらの確認が要るかも書き分けて。

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