ボルトの中にねじを切ると、二つの直径から思うより肉は残らない

外側が M8、内側が M6 の小さなステンレス部品が投稿され、二層のねじの間に半ミリほどしか肉が残らないと書かれていた。二百四十一点、百十七件の返信。削れるかどうかは我々の言うことではない。我々の分は引き算のほうである。肉を挟む二つの面はどちらも公開された数で、ある ISO の表の無料プレビューに載っている。答えは 0,233 ミリメートル、二つのピッチのうち動かすのは一つだけ、そして同じ表は 2023 年より前には別の答えを出していた。

ISO 724:2023 はおねじの谷の径を d3 = d − 1,226 869 P と与える。 M8 × 1,25 なら 6,466 ミリメートル。 めねじ側の M6 は自身の谷の径、すなわち 6,000 ミリメートルまで削り取る。 あいだに残るのは (6,466 − 6,000) ÷ 2 = 0,233 ミリメートル、片側あたりである。

ISO は小数点をコンマで書く。この頁もそれに倣う。 以下の数はどれも、公開された表から読んだものか、 公開された二つの数の引き算ひとつであり、そのどちらかを毎回述べる。

投稿にあった部品

機械工学のフォーラムに、二百四十一点、百十七件の返信が付いた投稿があった。 小さなステンレス部品二つが削れるかという問いである。記述は短く、正確だ。 ボルトは外側が M8 のおねじ、内側が M6 のめねじで、 「二つのねじのあいだに 0.5 から 0.6 ミリメートルほどしか肉が残らない」。 そして組立て全体は直径 11 ミリメートル、長さ 15 ミリメートルに収まらなければならない。 作れるのか、手締めに耐えるのか。

そのどちらにも我々は答えない。 この頁は加工の助言も強度の見解も与えず、その部品が存在すべきかにも立ち入らず、 工具も素材供給者も製造者も名指ししない。読んだのは投稿本体であって返信ではない。

答えられるのは文の途中にある数のほうである。 同軸の二層のねじのあいだの肉は、二つの面のあいだの引き算ひとつであり、 その二つの面の径はどちらも表に印刷されている。

どの二つの面か

軸から外へ進んで最後に出会う材料は、おねじの谷である。 外から内へ進んで材料が最初に途切れるのは、めねじの谷である。 つまり肉は二つの谷に挟まれていて、 谷はちょうど、規格のなかでもっとも覚えにくい二つの記号が置かれた場所である。

  • 外側の境界は d3、おねじの谷の径。M8 × 1,25 では表が 6,466 を与える
  • 内側の境界は D、めねじの谷の径、すなわち呼び径。M6 なら 6,000 である

罠は内側の境界にある。 めねじの径 D1 のほうをつい取ってしまいやすい。 M6 × 1 なら 4,917 であり、下穴のドリル径と同じ桁の数だからである。 それで引くと (6,466 − 4,917) ÷ 2 = 0,775 ミリメートル、 実際の 3,3 倍になる。 タップは自分の内径で止まらない。谷の径まで削り、そこで肉が終わる。

もう一つ、着地点ゆえに名を挙げておく価値のある測りかたがある。 おねじの有効径、M8 × 1,25 なら 7,188 から、めねじの谷の径までを取ると 0,594 ミリメートルになり、 投稿の言う 0.5 から 0.6 のあいだにきれいに収まる。 投稿のその数がどう得られたかを知る手立ては我々になく、 そうだったと述べているのでもない。 挙げたのは、有効径の円筒が拾われやすい線だからであり、 同じ肉についてもっともらしい三つの測りかたがこれほど離れうると示すからである。

どの径がどちらのねじのものかは、何をするにも先に整理しておきたい。 それは下穴表の頁で扱っており、ここでは繰り返さない。

二つのピッチのうち動かすのは一つだけ

めねじの M6 はそのままに、外側のピッチだけを変える。 同じ表の d3 の列だけで足りる。

M8 × 1,25、d3 = 6,466 → 肉 0,233 ミリメートル
M8 × 1、d3 = 6,773 → 肉 0,387 ミリメートル
M8 × 0,75、d3 = 7,080 → 肉 0,540 ミリメートル

この三つの引き算は当方のもの。三つの d3 は表のものである。

並目から M8 に載る最も細かいピッチへ移ると、肉は 2,32 倍になる。 今度は内側を、M6 × 1 から M6 × 0,75 へ変えてみる。肉はまったく動かない。 ピッチが何であれ、めねじの谷の径は 6,000 だからである。 タップは自分のピッチと無関係に呼び径まで削る。

規格自身の式を整理すると一般形が出る。整理したのは当方である。

片側の肉 = (d − D) ÷ 2 − 0,613 435 × P。 d は外側の呼び径、D は内側の呼び径、 P は外側のピッチだけ。内側のピッチは式に現れない。

そして M12 でなくなる

同じ配置をサイズ方向に上げていく。外は常に並目、内は常に呼び径が 2 ミリメートル小さいもの。 以下の肉はどれも、表の二つの数の引き算ひとつである。

  • 外 M6 × 1、内 M4:(4,773 − 4,000) ÷ 2 = 0,387 ミリメートル
  • 外 M8 × 1,25、内 M6:(6,466 − 6,000) ÷ 2 = 0,233 ミリメートル
  • 外 M10 × 1,5、内 M8:(8,160 − 8,000) ÷ 2 = 0,080 ミリメートル
  • 外 M12 × 1,75、内 M10:(9,853 − 10,000) ÷ 2 = −0,074 ミリメートル

どの行でも、二つの呼び径のあいだは片側一ミリメートルである。 変わるのはピッチであり、肉を食うのはピッチである。 M12 の並目ではおねじの谷の径 9,853 が、 めねじの谷の径 10,000 の内側へ入ってしまっている。 設計山形の上では、薄くなるべき肉そのものが残っていない。

これは加工上の判決ではないし、中空の M12 が存在しないという主張でもない。 外が並目、内が二ミリメートル小さいという一つの幾何について、 それがどこで閉じなくなるかを述べているだけである。

その数は 2023 年に変わった

ここからが、古い版で計算している人の手を止めさせる部分である。 第三版より前、同じ表は別の答えを出していた。

ISO 724:1993 の谷の径の欄は一つで、欄名は D1, d1 だった。 一つの数を内外のねじが共有していた。第 5 節が式を並べ、その最後は d1 = d − 2 × (5/8) H = d − 1,082 5P、 めねじとまったく同じ深さである。

2023 年版はその欄を二つに割り、それぞれに名を付けた。 めねじ、平らな山頂、D1。おねじ、丸みのある谷、d3。 そして序文が変更をはっきり並べている。記号の箇条に d3、H1、h3 の三記号が追加されたこと、 「おねじの谷の径 d3 の値と式が Table 1 および第 5 節に追加された」こと。 適用範囲の「基本山形」が「設計山形」に置き換わったのも同じ版である。

では四つの行を 1993 年の数でもう一度。公開値からの当方の計算である。

M6/M4:0,459  M8/M6:0,323   M10/M8:0,188  M12/M10:+0,053

2023 年の値は 0,387、0,233、0,080、−0,074 である。

M12 の場合は古い表では成立し、新しい表では成立しない。 同じ呼び径、同じピッチ、同じ規格番号で、版だけが違う。 そしてその差は偶然ではない。古い値は片側あたりちょうど 0,072 168 × P だけ大きく、 M8 の並目で 0,090、M12 の並目で 0,127 ミリメートルになる。 ピッチが粗いほど、古い数は遠くへ置く。M10 の行では実際の肉の 2,35 倍である。

二つの深さが違う理由は分数のなかにある。 めねじは基本三角形の 5/8 まで、設計山形のおねじは 17/24 まで入る。 比はちょうど 17/15。 規格の係数についての当方の計算で、1,226 869 ÷ 1,082 532 = 1,133 3 である。

これは基本寸法であって許容限界ではない

以上はすべて設計山形である。 実際のねじは公差等級で作られ、最後の意外はそこにある。

ISO 965-1:1998 が基礎となる寸法許容差の表を載せている。 二つの大見出しは めねじ D2, D1おねじ d, d2 である。 公差位置 H は表のどのピッチでも偏差が零であり、h も零である。 位置 g はピッチ 1,25 で −28 マイクロメートル、1,75 で −34 である。

その二つの見出しを、この肉を挟む二つの径と突き合わせてほしい。 d3 も D も、どちらの見出しにも入っていない。 これはその表が何を並べているかについての観察であって、 その二つの径に公差がないという主張ではない。 それらの限界はその文書の別の場所にあり、 無料プレビューは我々がそこへ着く前に終わる。この頁は推測しない。

それが答え全体の正直な形でもある。 0,233 ミリメートルは設計山形が残す量である。 計画のための上限ではあっても、何かの下限ではない。 実際の公差等級で作られた部品がちょうどその値である義務はなく、 等級がどちらへ押すかは、我々が読まなかった箇条の話である。

持ち帰る点

  • 肉は二つの谷に挟まれている。おねじの谷の径と、めねじの谷の径、すなわち呼び径である
  • 下穴まで測るとおよそ三倍になる。外 M8 内 M6 では 0,775 に対して 0,233
  • 肉を動かすのは外側のピッチだけ。内側を M6 × 1 から M6 × 0,75 に変えてもまったく動かない
  • 肉 = (d − D) ÷ 2 − 0,613 435 P、P は外側。規格自身の式を当方が整理したもの
  • 外が並目、内が二ミリメートル小さい配置は M10 と M12 のあいだで尽きる。0,387、0,233、0,080、そして負
  • ISO 724 は 2023 年より前、おねじの谷の径に別の値を与えていた。1993 年版は内外共用の一欄で d − 1,082 5P、2023 年版は d3 = d − 1,226 869 P を追加した
  • 古い数は片側あたり 0,072 168 P だけ肉を多く見せる。ピッチが粗いほど誤差は大きい
  • すべて設計山形の話である。公差等級は別の問いで、ISO 965-1 の無料プレビューはそれを決めない

投稿の問いはその部品が可能かどうかだった。それは実際に削る人のものである。 表が決めてくれるのは、もっと小さい、しかし先に決めておく価値のあることだ。 可能性を争いはじめる前に、まず同じ数を争うべきであり、 筋の通った三人が同じ図から三つ違う数を拾いうる。

この記事は手順 2、ねじを扱います。全体の順序は相手材、ねじ、頭部、駆動部、表面処理、書類で、これを崩すと微調整ではなく手直しになる理由はねじの決め方にあります。

よくある質問

外が M8、内が M6 のとき、肉はどれだけ残りますか。

設計山形では片側 0,233 ミリメートルです。ISO 724:2023 は M8 × 1,25 のおねじの谷の径を 6,466 ミリメートルと与え、M6 のめねじは自身の谷の径 6,000 ミリメートルまで削ります。差の半分が 0,233 ミリメートルです。これは基本寸法であって、公差の付いた実部品の限界ではありません。

自分で計算すると大きく出るのはなぜですか。

たいていは内側の境界の取りかたです。M6 × 1 のめねじの内径は 4,917 ミリメートルで、それで引くと 0,775 ミリメートル、約三倍になりますが、タップはそこで止まりません。おねじの有効径 7,188 ミリメートルから測ると 0,594 ミリメートルになります。材料が実際に終わるのは、めねじの谷の径です。

内側を細目にすれば肉は増えますか。

増えません。ピッチが何であれめねじの谷の径は呼び径なので、M6 × 0,75 と M6 × 1 は同じ肉を残します。動かすのは外側のピッチだけで、M8 × 1,25、M8 × 1、M8 × 0,75 でそれぞれ 0,233、0,387、0,540 ミリメートルです。

式はありますか。

規格自身の d3 の式を整理すると、片側の肉 =(d − D)/ 2 − 0,613 435 × P です。d は外側の呼び径、D は内側の呼び径、P は外側のピッチだけ。内側のピッチは式に現れません。整理は当方、係数は規格のものです。

この配置はどこまで成り立ちますか。

外が並目、内が二ミリメートル小さい場合、外 M6 内 M4 で 0,387、外 M8 内 M6 で 0,233、外 M10 内 M8 で 0,080、外 M12 内 M10 で −0,074 ミリメートルです。M12 の並目ではおねじの谷の径 9,853 ミリメートルがめねじの谷の径 10,000 ミリメートルの内側へ入り、設計山形の上では何も残りません。

ISO 724 は変わったのですか。

変わりました。1993 年版の谷の径の欄は一つで、欄名は D1, d1、d1 = d − 1,082 5P と内外同じ深さでした。2023 年の第三版はそれを、平らな山頂のめねじ D1 と、丸みのある谷のおねじ d3 に分け、d3 = d − 1,226 869 P としています。序文は d3 の値と式が Table 1 と第 5 節に追加されたと述べています。

差はどれくらいですか。

古い値は片側あたり 0,072 168 × P だけ大きく出ます。これは二つの係数についての当方の計算です。M8 の並目で 0,090、M12 の並目で 0,127 ミリメートル。外 M8 内 M6 は 1993 年の 0,323 から 2023 年の 0,233 へ、外 M12 内 M10 はかろうじて成立から不成立へ変わります。

公差は有利に働きますか、不利に働きますか。

この頁は述べません。ISO 965-1:1998 の無料プレビューが、それに答える箇条の手前で終わるからです。報告できるのは、その基礎となる寸法許容差の表がめねじ D2, D1、おねじ d, d2 という見出しを持ち、この肉を挟む二つの径がどちらの見出しにも入っていないことです。それらの限界は同じ文書の別の場所にあります。

投稿の部品は削れるのですか。

この頁は答えませんし、答えようともしません。加工や強度の助言を与えず、特定の部品に論評せず、工具名も供給者名も書きません。確立しているのは、どの二つの公開された数がその肉を決めるのかということであり、可能性の議論が同じ数から始められるようにするためです。

参考資料

三つの無料プレビューをダウンロードして読んだ。ISO 724:2023(カタログ番号 85104、十頁、Table 1 が全面的に見える)、ISO 724:1993(カタログ番号 4958、九頁、第 5 節と Table 1 が見える)、ISO 965-1:1998(カタログ番号 5393、十一頁、印刷第 9 頁まで)。これらの表から引いた数はすべて、当該頁を画像に起こして目で照合した。文字抽出では古いスキャンの下付き文字が崩れるためである。次の各項は当方の計算であり、いずれの文書の記述でもない。肉がおねじの谷の径とめねじの谷の径に挟まれるということ。この頁のすべての肉の値、そのどれもが公開された二つの径の差の半分であること。整理した一般形(d − D)/ 2 − 0,613 435 P。内側のピッチがその式に入らないという観察。M8 の並目と最も細かいピッチのあいだの 2,32 倍。二つの版のあいだの片側 0,072 168 P の過大評価と、M8 の 1,39 倍、M10 の 2,35 倍。そして二つのねじ深さの比 17/15 である。以上はすべて設計山形である。実際のねじは公差等級で作られ、この頁は公差がどちらへ押すかを述べない。ISO 965-1 の無料プレビューが、それに答える箇条の手前で終わるからである。見えるのは、基礎となる寸法許容差の表の見出しがめねじ D2, D1 とおねじ d, d2 であり、この肉を挟む二つの径がどちらにも入っていないことだけである。これはその表が何を並べているかについての観察であって、それらに公差がないという主張ではない。ISO 68-1 は読んでいないので、丸みのある谷の半径や転造ねじの谷の実形状について、この頁は一言も述べていない。ISO 261 と ISO 5408 も読んでいない。加工の助言も強度の見解も与えず、投稿の部品を作るべきかにも立ち入らず、工具、素材、製造者の名を書かない。投稿の肉の値がどう測られたかは知らず、上で挙げた有効径からの測りかたは例示であって、その説明ではない。読んだのは投稿本体であって返信ではなく、この頁に投稿者名は現れない。どの径がどちらのねじのものかは別の頁で扱っており、ここでは繰り返さない。

お問い合わせ

図面で一方のねじがもう一方のねじの中に入っているなら、 何より先に合意しておく価値があるのは、 どの二つの径を引き算しているのかということです。 二つの呼び径と二つのピッチをお送りいただければ、 設計山形で何が残るかをお伝えし、 それ以上を述べる前に公差等級について何を伺う必要があるかもお伝えします。

sales@tigerfasteners.com