あなたの締付け方法は、予荷重をどれだけ外すか
継手が必要としているのは予荷重で、どう締めるかが、それをどれだけ正確に渡せるかを決めます。VDI 2230 はその不正確さに数字を与え、それを設計にそのまま掛け算します——ですから作業台の上のあの工具が、最後にボルトの太さを決めることになります。
その量
VDI はこれを Anziehfaktor、tightening factor と呼び、記号は αA、本文では組立の不確かさの係数とも説明されます。 比です—— αA = FM max / FM min。
FM min は必要な最小の組立予荷重、 FM max は締付けの手順、工具、摩擦のばらつきがすべて関与したあとに、 実際に出うる最大値です。
手順のなかでの位置は正しく押さえる価値があります。探す場所を間違えやすいからです。 αA は計算手順 R1「Determining the tightening factor」で選び、 第 5.4.3 項を指し、表は附属書 A の Table A8 です。 R5 が FM min を求め、 掛け算するのは R6/1—— FM max = αA FM min。
あの表と、最もよく引き間違えられる行
Table A8 が与えるばらつきは平均の組立予荷重に対するもので、二つの欄の関係は ΔFM / 2FMm = (αA − 1) / (αA + 1) です。
| 方法 | αA | ばらつき |
|---|---|---|
| 超音波による伸びの管理 | 1.1–1.2 | ±5–9 % |
| ボルトまたはナット内の機械的引張 | 1.1–1.3 | ±5–13 % |
| 機械的な伸びの測定 | 1.1–1.5 | ±5–20 % |
| 油圧による、摩擦もねじりも伴わない引張 | 1.1–1.4 | ±5–17 % |
| 降伏点制御、動力または手動 | 1.2–1.4 | ±9–17 % |
| 回転角制御、動力または手動 | 1.2–1.4 | ±9–17 % |
| トルク制御、実機の継手の試験で較正 | 1.4–1.6 | ±17–23 % |
| トルク制御、摩擦係数の推定値で設定(class B) | 1.6–2.0 | ±23–33 % |
| トルク制御、摩擦係数の推定値で設定(class A) | 1.7–2.5 | ±26–43 % |
| インパクトレンチ、パルス工具、または作業者の手の感覚 | 2.5–4.0 | ±43–60 % |
この表には、引き間違えの頻度が高くて名指しする価値のある箇所が三つあります。
- 本当の油圧引張は 1.1–1.4 です。ネット上の要約でよく見る 1.3–1.4 ではありません
- 1.4–1.6 の行の「油圧工具」は、油圧工具で与えるトルク制御のことで、油圧テンショナとは別物です
- 手動トルクレンチに単一の値はありません。1.4–1.6、1.6–2.0、1.7–2.5、2.5–4.0 のどこにでも落ち、そのトルクをどう設定したかで決まります。手の感覚で締めれば、表の最も悪い行です
回転角制御と降伏点制御は、別の道を通ります
Table A8 は回転角と降伏点の制御に αA = 1.2–1.4 を挙げていますが、 R1 は続けて、この二つの方法では計算上 αA = 1 とするよう規定しています。
理由は Table A8 自身の備考にあります。 この締め方のボルトは FM min に対して寸法を決めるのであって、 もはや FM max = αAFM min では決めません。 予荷重の上端は実際のボルトロットの降伏点のばらつきが支配し、 R10/3 が pmax = 1.4 FMTab / Ap min で扱います。
ですからその 1.2–1.4 は「到達できる予荷重のばらつき」の指針値として残り、 回転角や降伏点の設計式に代入するのは誤りです。
NASA は別の枠組みを使い、数字も独自です
NASA-STD-5020B は αA を使わず、preload variation Γ を使い、 さらに取付け管理のパラメータ自体の上下の許容を cmax、cmin で表します。
Ppi-max = cmax(1 + Γ)Ppi-nom、 Ppi-min = cmin(1 − Γ)Ppi-nom
| 取付け方法 | Γ |
|---|---|
| トルク制御 | 25 % |
| トルク制御、無潤滑または as-received | 35 % |
| Turn-of-nut/回転角 | 25 % |
| ボルトの伸び | 10 % |
separation-critical な継手では、これらの既定値は使えません。 Table 2 の構成の要求に適合する試験によって、 90 % probability、95 % confidence、両側の Γ を確立しなければなりません。
よく聞くあの ±25 % はどこから来たか
当サイトはこれを VDI に帰属させるつもりでした。VDI の数字ではありません。 VDI の「実機の継手で較正したトルク」の行は ±17–23 % です。
±25 % は NASA RP-1228 の Table VII にたどれます。 それが転載しているのは Industrial Fasteners Institute のトルク測定の表で、 IFI Fastener Standards 第 5 版(1970)を引いています。
| 方法 | 精度 |
|---|---|
| トルクレンチ | ±25 % |
| Turn-of-nut | ±15 % |
| 締結部品の伸び | ±3–5 % |
| ひずみゲージ | ±1 % |
「最大でおよそ ±30 %」という版は同じ文書の Table VIII にたどれ、 出典は 1987 年の Machine Design の締結部品特集で、トルク制御を ±15–30 % としています。 Machinery's Handbook 第 31 版も同じトルクレンチ ±25 % を挙げ、 降伏点検知 ±8 %、超音波 ±1 % を併記します。
これらの数字は互いに置き換えられません。 VDI のものは αA から換算した指針値、 NASA-STD の 10 % は設計に使う Γ の既定値。 M10 と M14 のりん酸塩処理ボルトで各制御方法を比べた実験論文は、 トルク制御でおよそ 18 % のばらつき(3s)、超音波の締付け力制御でおよそ 2.9 % を報告していますが、 それはその設備とその試験体の結果であって、設計の許容差ではありません。
その工具が、最後にボルトを太らせる理由
VDI の計算手順を順に下りていくと、鎖はこうつながります。
- R2 が必要な最小締付け力 FK erf を求めます。摩擦で横方向の荷重を伝えること、場合によっては密封と継手の開きの防止も含みます
- R3–R4 が外力の分配と、なじみや温度による予荷重の変化を織り込みます
- R5 が FM min を求めます
- R6/1 が αA を掛け、FM max を出します
ボルトはその FM max に耐えられなければならないので、 工具のばらつきが大きいほど、必要なボルトは太くなります。 手の感覚で締める工程は、同じ継手に対して、 較正されたトルクレンチの工程よりも大きいボルトを要求します—— 荷重が増えたからではなく、渡せる予荷重の幅が広いからです。
予荷重が外力の下でどう分かれるかはボルトはばねに、 トルクが実際に何を買っているかはトルクと締付け力に、 そのトルクが前提にしている摩擦条件は トルク値は摩擦条件を前提にしているにあります。
この記事は手順 2、ねじを扱います。全体の順序は相手材、ねじ、頭部、駆動部、表面処理、書類で、これを崩すと微調整ではなく手直しになる理由はねじの決め方にあります。
よくある質問
VDI 2230 の締付け係数とは何ですか。
αA = FM max / FM min という比で、必要な最小の組立予荷重に対して、締付けの手順、工具、摩擦のばらつきがすべて関与したあとに出うる最大値がどれだけ大きいかを表します。計算手順 R1 で選び、表は附属書 A の Table A8、掛け算するのは R6/1 です。
トルクレンチの予荷重のばらつきはどれだけですか。
一つの値はありません。VDI 2230 Table A8 では、実機の継手の試験で較正したトルク制御が ±17–23 %、摩擦係数の推定値で設定した場合は class B で ±23–33 %、class A で ±26–43 %、インパクトレンチやパルス工具、作業者の手の感覚では ±43–60 % です。手動トルクレンチがどの行に落ちるかは、そのトルクをどう設定したかで決まります。
よく見る ±25 % はどこから来ていますか。
VDI ではありません。VDI の較正済みトルクの行は ±17–23 % です。±25 % は NASA RP-1228 の Table VII にたどれ、そこが転載しているのは IFI の Fastener Standards 第 5 版(1970)の表です。「最大 ±30 %」という版は同じ文書の Table VIII で、出典は 1987 年の Machine Design です。これらは互いに置き換えられません。
回転角制御では Table A8 の値をそのまま使えますか。
使えません。Table A8 は回転角と降伏点の制御に 1.2–1.4 を挙げていますが、R1 は計算上 αA = 1 とするよう規定しています。この締め方のボルトは FM min に対して寸法を決めるからで、予荷重の上端は実際のボルトロットの降伏点のばらつきが支配し、R10/3 が別に扱います。1.2–1.4 は到達できるばらつきの指針値として残ります。
締付け方法がボルトの寸法を変えるのはなぜですか。
ボルトは FM max に耐えなければならず、FM max = αA × FM min だからです。工具のばらつきが大きいほど αA が大きくなり、同じ継手でも必要なボルトが太くなります。荷重が増えたからではなく、渡せる予荷重の幅が広いためです。
お問い合わせ
継手のボルト寸法を決めていて、現場の締付け方法がまだ決まっていないという状況ですか。 どう締めるか、そしてトルクをどう設定するかをお知らせください。 その方法が設計に持ち込むばらつきと、 締め方を一段上げたときにボルトがどれだけ細くできるかをお返しします。
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