組込み品の座金は、ねじより穴が小さい
読むのにおよそ 9 分。当サイトには「M4 の座金は一つの規格ではなく三つだ」と書いた頁があります。 その座金がねじに付いたまま届いたのなら、それは四つ目で、 あの頁が名前を挙げなかった別の規格に出ています。 いちばん見分けやすい特徴はこれです——内径が、通っているそのねじより細い。
この頁がどこから始まるか
当サイトの座金の規格の頁は、繰り返す値打ちのあることを述べています。 呼び寸法は一枚の座金を指定していません。 同じ M4 が小形、並形、大形のどれにも存在し、外径は二倍以上違います。
あの頁は三つの系列とその背後の ISO 番号を並べました。 別に買って自分で通す座金については、それは正確です。 ⚠️ けれども「ねじに付いて届く」一枚は入っていません。 そしてその一枚の寸法は、別の規格から来ています。
「外れない」は定義された言葉で、形容ではありません
ISO 10644 が扱うのは鋼製のねじと平座金の組込み品で、 メートル並目の M2 から M12、平らな座面をもつ頭部(flat seating heads—— 頭部の下の当たり面が平らという意味で、「皿ねじ」のことではありません)、 強度区分は 10.9 までです。 その適用範囲は一文で定義を置いています。
平座金は保持されている、すなわち取り外すことはできないが、自由に回ることはできる。
⭐ 両方の半分が効いています。取り外せないからこそ、それは同じ袋に入った二つの部品ではなく一つの組込み品です。 自由に回れるからこそ、それはまだ座金らしくいられます。 頭の下で締め殺されていれば、ねじと一緒に回り、 摩擦の界面は座金の上面へ移ってしまい、座金と被締結物のあいだに残りません。
だから内径はマイナス側なのです
ねじ山を通り抜けられる座金が「取り外せない」ことはありえません。ですから通り抜けないのです。 ISO 10673 が与える内径は、どの寸法でも呼びねじ径より小さい——
| 呼び寸法 | 内径 d1(min から max) | 呼びより小さい割合 |
|---|---|---|
| M2 | 1,75 から 1,85 mm | およそ 8 から 13% |
| M2,5 | 2,25 から 2,35 mm | およそ 6 から 10% |
| M3 | 2,75 から 2,85 mm | およそ 5 から 8% |
| M3,5 | 3,20 から 3,32 mm | およそ 5 から 9% |
| M4 | 3,6 から 3,72 mm | およそ 7 から 10% |
| M5 | 4,55 から 4,67 mm | およそ 7 から 9% |
| M6 | 5,5 から 5,62 mm | およそ 6 から 8% |
| M8 | 7,4 から 7,55 mm | およそ 6 から 8% |
| M10 | 9,3 から 9,52 mm | およそ 5 から 7% |
| M12 | 11 から 11,27 mm | およそ 6 から 8% |
座金はねじ山がまだ存在しないうちに入ります。 転造前の素材の軸に通され、そのあとで転造され、出てきたねじ山は座金が通った穴より大きい。 それを保持しているのは幾何であって、ほかの何かではありません。
⚠️ 実務上の帰結は両方向にあります。 完成したねじにこの座金をあとから足すことはできませんし、 落とした組込み座金を同じ呼び寸法のふつうのばら座金で補っても、同じ部品にはなりません—— 内径が一方向に合わず、外径もたいていもう一方向に合いません。
系列は好みではなく、頭部の形で決まります
ここがばら座金の世界といちばん違うところです。 ISO 10673 の三つの形は小・中・大というだけではなく、 規格がそれぞれ優先してどれに使うかを直接書いています。
| 形 | 優先して使う相手 | M4 / M6 / M10 の外径 |
|---|---|---|
| S — 小形 | 六角穴付きボルトと円筒頭のねじ | 8 / 11 / 18 mm |
| N — 並形 | 六角頭のねじ | 9 / 12 / 20 mm |
| L — 大形 | 六角頭のねじ | 12 / 18 / 30 mm |
⚠️ 条文は理由を書いていませんが、この組合せは「頭がどれだけ覆えるか」と整合しています。 六角穴付きボルトの頭は小さな円で、その下に大きな座金を敷けば、外周の環には何も押していないことになります。
そして硬さはねじが決めていて、別に選ぶものではありません
ISO 10644 は二つの部品を結びつけています。
| ねじの強度区分 8.8 以下(含む) | 座金の硬さ区分 200 HV または 300 HV |
|---|---|
| ねじの強度区分 9.8 と 10.9 | 座金の硬さ区分 300 HV |
ですから 10.9 のねじに付く座金は自由な選択ではありません。 ⚠️ ねじだけで組込み品を指定すると、低い区分の側では座金が未定義のままになり (どちらの硬さも許される)、高い区分の側では完全に決まってしまいます。
⭐ もう一つ、供給者と争うときに使う条があります。仲裁の目的で ISO 898-1 に従って機械的性質を試験するときは、座金を外すこと。 組込み品は、そのねじで判定されます。
この頁が確定していないこと
⚠️ ばらの系列——ISO 7089、7090、7092、7093——の外径の値は本頁では引用していません。 それらの系列との対比は定性的で、根拠は当サイトの前の頁であって、 今回それらの規格を読み直したものではありません。 あるばら座金がある組込み座金と寸法上等しいか等しくないかを示したいなら、 両方の表を並べて広げる必要があります。
本頁は組込み品が正しい選択かどうかも述べていません。 それは取扱いと脱落防止の判断でもあって、力学だけの判断ではありませんし、 ISO 10644 は M12 までなので、それより上ではこの問いがこの形では存在しません。
この記事は六つの手順のどれか一つには収まりません。手順をまたいで出てくるか、組み付けたあとに出てくる話です。ここに行き着く判断がどこで下されているかはねじの決め方にまとめてあります。
よくある質問
組込みねじにふつうの座金を足してもよいですか。
保持されているほうの代わりにはなりません。組込み座金の内径は呼びねじ径より小さく、それは転造の前に入れられたという意味なので、外から交換できません。同じ呼び寸法のばら座金はすきま穴ですし、外径もたいてい違います。
組込み座金の S、N、L はどう決まりますか。
ISO 10673 が頭部の形で優先順位を書いています。S 形は六角穴付きボルトと円筒頭のねじに優先、N と L 形は六角頭のねじに優先。規格はこれを自由な寸法の選択としては書いていません。
座金の硬さはねじの区分に従いますか。
従います。ISO 10644 は強度区分 8.8 以下(含む)のねじに 200 HV または 300 HV を許し、9.8 と 10.9 には 300 HV を要求します。
参考資料
- ISO 10644:2009 — 鋼製のねじと平座金の組込み品;第 1 節の適用範囲と「外れない」の定義、第 4 節の硬さの対応と仲裁試験の条
- ISO 10673:2009 — 組込み品用の平座金、小・並・大形、A 級;第 3 節の頭部形状による分類、第 4 節 Table 1 から 3
- 当サイトの座金の規格の頁 — 本頁が並べている三つのばら系列
ISO 10644:2009 と ISO 10673:2009 は公式に公開されているプレビュー PDF を読みました。どちらも適用範囲、分類の条、寸法表が完全に含まれており、本頁のすべての数字はそのページから来ています。ISO 10644:2009 は第二版で 1998 年の初版を置き換えており、初版の硬さの規則は書き方が違いました——初版は「強度区分 8.8 未満は 200 HV」と書いて 8.8 そのものを隙間に残していましたが、現行版は 8.8 以下(含む)でどちらの硬さも許します。本頁は 2009 年版の条のみを引用します。ISO 10673:2009 は ISO の目録上 2024 年の見直しで現行と確認されていますが、その状態は目録のページから来たもので文書自体からではありません。内径表の「呼びより小さい割合」は公表された上下限から当サイトが計算したもので、規格が印刷している数字ではありません。本頁のすべての主張は公開前に一度独立の照合を受け、すべて通過しました。その照合は当サイトが落としていた M2,5 と M3,5 の二行を補い、flat seating heads を皿ねじと誤読されうる語に訳すべきでないと指摘しました。本頁のどの寸法も設計の許容値ではありません。
お問い合わせ
見積りがねじと座金の組込み品なら、座金の形(S、N、L)と硬さ区分を ねじの仕様と一緒にお知らせください。 座金はあとから組み合わせられる独立した品目ではありませんし、 その内径そのものが、あとから付けるという可能性を排除しています。
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