納期がずるずる延びる理由と、発注前に尋ねる七つのこと

先に結論を。小口の納期遅れは、たいてい不注意ではなく段取りの構造から来ます。 三つの構造的な原因——大口優先、段取り替えのためのまとめ、工程の外注——は どれも発注前に尋ねられますし、答えが出てこないこと自体が一つの答えです⚠️ この頁は自社の納期遵守率を書きません。検証できる数字を持っていないからです。 書くのは、遅れが実際にどの段で起きるのか、そしてそれを発注前にどう聞き出すか、です。

遅れは「作る」でほとんど起きず、「待つ」で起きます

線材から出荷まで、ねじが通る段はこれだけです—— 線材の検査 → 頭部の成形 → ねじの転造 → 中間検査 → 熱処理 → 表面処理 → 完成品の検査、 そのあとに包装と出荷。

機械が実際にあなたのその注文のために回っている時間は、納期全体のなかではふつう少数派です。 多くは列に並ぶ時間に使われます——段取りを待つ、まとまるのを待つ、外注先から戻るのを待つ、 検査と初物の確認を待つ。

ですから「これは何日でできますか」という尋ね方では、返ってくる答えが使えません。 相手が答えているのは加工の時間で、あなたが知りたいのは合計の時間です。 尋ねるべきは、どこで列に並ぶのか、そしてその列を誰が握っているのか、です。

原因 1:小口は大口のうしろに並びます

機械は段取りを替えるたびに、調整をやり直し、初物を流し、寸法を確認します。 段取り替えの時間は固定費で、それをロットで割ります。 長い注文は機械を長く占め、段取り替えの回数が少なく、時間あたりの産出が高い。 短い注文はその逆で、同じ段取り替えの費用がわずかな数量にしか割り当たりません。

ですから段取りが動かされるとき、後ろへずらされるのはたいてい数量の少ないほうです。 これは誰かが悪いという話ではなく、能力を配分する経済です—— けれどもあなたの注文がどういう条件で動かされるかを決めていて、それは前もって尋ねられます。

尋ねる値打ちがあるのは「割込みの規則は何か」です。 どこでも割込みは起きます。違いは規則があるかどうか、そして割り込まれた側がどれだけ早く知らされるかです。

原因 2:段取り替えが長ければ、まとめるほかありません

段取り替えに何時間もかかる工場は、必然的に注文をある量まで貯めてから機械を回します。 この待ち時間は客からは見えません—— あなたの注文はとっくに入っているのに、機械がまだその品目の番になっていない。時間はそうやって消えます。

これこそ SMED(シングル段取り)が解こうとしている問題です。 その核心は動作を速くすることではなく、 「機械を止めなければできないこと」を「機械が回ったままできること」へ移すことです—— 段取り替えが短くなってはじめて、まとめる圧力も小さくなります。

寸法帯がこの規模を変えます。 小さな寸法は金型そのものが小さく、段取り替えは小さな寸法のラインでは日常です。 まとめる圧力は、大きな寸法の長い注文のラインとは違います。 同じ変更でも、工場によって計算される代価が大きく違うのはこのためです。

原因 3:敷地を出た工程は、もう供給者の手にありません

熱処理と表面処理は、締結部品の業界でよく外注されます。 工程がいったん敷地を出れば、それは別の会社の段取りに入ります—— そしてその段取りは、あなたの供給者にも動かせません。急かすことしかできません。

ですからどの工程が敷地を出たのかをはっきり言えない供給者は、 その工程の納期に本当の意味で責任を負えません。 この問いの値打ちは外注が良いか悪いかにはありません——外注はよくあることで、必ずしも遅くもありません—— 相手が答えられるかどうかにあります

この問いは当社にも向けてください。 確認できるのは——M6 以下は線材、金型、転造、検査が社内にあり、 成形、品質検査、包装まで一貫していて、1994 年から続けていることです。 それ以外の工程は直接お尋ねください。「全部内製」という答え方で通すことはしません。

三つの原因、三つの尋ね方

発注前に構造的な危険を聞き出す
原因尋ねること答えられている姿警戒すべき答え
大口優先この注文は段取りのどこにありますか。どういう場合に動かされますか割込みの規則と、知らせる仕組みを言える「大丈夫です、うちはいつも間に合います」
段取り替えのまとめ段取り替えに何時間かかりますか。この品目はどれくらいの頻度で回りますか時間の桁と、回す頻度を出せる「すぐです」としか言わない
工程の外注どの工程が敷地の外ですか。その待ち時間はどう見積もり、誰が追いますかどの工程か、そしてどう報告するかを言える曖昧にする、または全部内製と言いながら設備を言えない
共通遅れるときの連絡の仕組みは何日以内に知らせるかを言える納期当日になって言う

見積りの納期がしばしば幅で来る理由

その幅自体が、段取りの状態を告げています。 幅が狭ければ、相手はもう具体的な段取りの見込みを持っています。 幅が広ければ、まだ段取りに入れていないか、敷地外の工程の不確かさを一緒に見込んでいます。

幅が一桁以上あるなら、それは納期の約束ではなく、ありうる範囲です。 ⚠️ これは相手が不誠実だという意味には必ずしもなりません—— 不確かさを表に出すほうが、できない日付を口約束するよりましです—— けれども自分がどちらを受け取ったのかは知っておいてください。

ですから尋ねるべきは「もう少し早くなりませんか」ではなく、 「この幅は何によって決まっているのですか」です。 それがはっきりすれば、自分が合わせられるかどうかが分かります—— 図面を早く確定する、分割納入を受け入れる、線材を先に手配してもらう、検証の要求を一度に伝える。 これらはどれも、買う側で縮められる時間です。

供給者のせいではない遅れもあります

この節は双方のために先に話しておく値打ちがあります。以下の時間は、情報に使われていて、製造には使われていません。

  • 図面がまだ直っている。発注後に確定した寸法は、段取りをもう一度組み直すのと同じです
  • 材質やめっきが未確定。小さな寸法ではとくに——M1–M1.4 のねじ公差はめっきのための余地を残していません。これを遅く確定すると、量産の一本目で表に出ます
  • 支給材が届いていない。線材が支給の場合、納期の起点は供給者の手にありません
  • 原産地がまだ決まっていない。出荷後に申告を直す代価は仕向地と訂正の仕組みによりますが、発注前に決めておけば、少なくともこの変動はありません
  • 初物確認の往復。見本を送り、相手が試組みを手配し、返事をする——この区間はよく数え落とされます
  • 検証の要求が発注後に出てくる。何を変えたら何を確かめ直すのかは、一度にまとめて伝えるほうが三回に分けて尋ねるより速い

発注前に尋ねる七つ

  1. この注文は段取りのどこにありますか。どういう場合に動かされますか
  2. 段取り替え/型替えに何時間かかりますか。この品目はどれくらいの頻度で回りますか
  3. どの工程が敷地の外ですか(熱処理と表面処理がいちばん多い
  4. 敷地外のその工程の待ち時間はどう見積もり、誰が追いますか
  5. 線材は在庫ですか、発注後の調達ですか
  6. 見積りの納期の幅は、何によって決まっていますか
  7. 遅れるときの連絡の仕組みは何ですか。遅れると分かってから、どれだけで知らせますか

最後の一つがいちばん重要です。 遅れそのものには手が打てます——船を替える、一部を先に出す、ラインの順序を入れ替える—— まだ時間が残っているなら。 遅れて、しかも納期当日に言われれば、その選択肢はどれも消えています。

当社も同じ検査を受けます

上と同じ問いで当社を検査すると、答えはこうなります。

  • 確認できること:M6 以下は線材、金型、転造、検査が社内。成形、品質検査、包装まで一貫。1994 年から
  • 確認できること:小さな寸法は金型がもともと小さく、段取り替えももともと頻繁なので、寸法の変更はしばしば金型の微調整であって、一式を起こし直すことではありません
  • ⚠️ 書かないこと:納期遵守率。 検証できる数字を持っていないので、この頁に「納期は安定しています」という類の文は出しません。 前の取引先に裏切られた買い手がその一文を読めば、いっそう信じなくなるだけです—— その前の一社も、たぶん同じことを書いていたのですから。 実数が出せるようになったら、ここに足します。

この記事は六つの手順のどれか一つには収まりません。手順をまたいで出てくるか、組み付けたあとに出てくる話です。ここに行き着く判断がどこで下されているかはねじの決め方にまとめてあります。

よくある質問

小口の注文ほど納期が延びるのはなぜですか。

段取りの構造です。機械は段取りを替えるたびに調整をやり直し、初物を流し、寸法を確認するので、段取り替えの時間は固定費になり、それをロットで割ります。長い注文は段取り替えの回数が少なく時間あたりの産出が高く、短い注文は同じ費用をわずかな数量にしか割り当てられません。ですから段取りが動かされるとき、後ろへずらされるのはたいてい数量の少ないほうです。誰かが悪いのではなく、能力を配分する経済です。

「これは何日でできますか」と聞くのは、なぜ役に立たないのですか。

相手が答えているのは加工の時間で、あなたが知りたいのは合計の時間だからです。線材から出荷まで機械が実際にあなたの注文のために回っている時間は、納期全体のなかではふつう少数派で、多くは列に並ぶ時間——段取り待ち、まとまるのを待つ、外注先から戻るのを待つ、検査と初物確認を待つ——に使われます。尋ねるべきは、どこで列に並ぶのか、そしてその列を誰が握っているのかです。

見積りの納期が幅で来るのは、ごまかしですか。

必ずしもそうではありません。その幅自体が段取りの状態を告げています。狭ければ相手はもう具体的な見込みを持っていて、広ければまだ段取りに入れていないか、敷地外の工程の不確かさを見込んでいます。幅が一桁以上あるならそれは約束ではなくありうる範囲ですが、不確かさを表に出すほうが、できない日付を口約束するよりましです。尋ねるべきは「もう少し早く」ではなく「この幅は何によって決まっているのか」です。

外注されている工程があると、納期は不利になりますか。

必ずしもなりません。熱処理と表面処理は締結部品の業界でよく外注され、外注が遅いとはかぎりません。効いてくるのは、工程が敷地を出れば別の会社の段取りに入り、供給者にもそれを動かせないということです。ですからこの問いの値打ちは外注の良し悪しではなく、相手がどの工程が外なのかを言えるかどうかにあります。言えない供給者は、その工程の納期に本当の意味で責任を負えません。

発注前にいちばん重要な問いはどれですか。

遅れるときの連絡の仕組みです。遅れそのものには手が打てます——船を替える、一部を先に出す、ラインの順序を入れ替える——ただし、まだ時間が残っているなら。遅れて、しかも納期当日に言われれば、その選択肢はどれも消えています。

参考資料

  • シングル段取り(SMED)—— Wikipedia
  • ISO 9001:2015 —— 品質マネジメントシステム(§8.1 運用の計画及び管理)

この頁が説明しているのは段取りの仕組みと尋ね方であって、どの供給者の実績の約束でもありません。実際の納期は、あなたの品目、ロット、確定した仕様にもとづいて供給者から取得してください。当社の納期遵守率は、検証できる数字がないためこの頁には載せていません。

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納期がいつも合わない品目がありますか。品目と数量をお知らせください。 その品目が当社の工程のどこで列に並ぶのか、そしてどの区間が当社の手にないのかを、そのままお伝えします。

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