事後にボルトを確かめる手順はあり、それを定めた仕様書が、それが効かない理由を並べている

ボルトを緩めながらトルクを測る理由が知りたい、と尋ねた人がいた。二十三点、五つの回答。鉄骨の世界には、その隣の問い、すでに締まっているボルトにレンチを当てて何が分かるのか、についての文書化された答えがある。それが読む価値をもつ理由は珍しい。仕様書は手順を四つの番号付きの段で書き切り、そのあと自分の解説を使って、この手順は間違ったボルトを受け入れ、正しいボルトを退けうると述べているからである。

仲裁の節の解説から。 「最終的には、このような仲裁は、正しく実施された取付け手順を経た締結組立体を 誤って退けることも、正しく取り付けられなかった締結組立体を受け入れることもありうる。 本仕様書に含まれる仲裁手順は、その限界にもかかわらず、 現時点で最も実行可能なものとして提供されている。」

この頁は検査、締付け、合否の助言を一切与えない。 読むのは一つの仕様書の一つの節である。 問いは公開されている整備の質問サイトから、その開放された経路で取った。 本サイトがふだん使うブラウザの道具がまた使えなかったためである。 読んだのは問いであって回答ではなく、この頁に利用者名は現れない。

仲裁トルクは調べて出す数ではない

その節は短く、そして条件付きである。適用されるのは 「検査ののち、導入軸力の与えられた継手またはすべり限界継手のボルトが 適正な導入軸力をもたないと疑われるとき」であり、 そのときですらこの手順は認められるのであって要求されるのではない。 続くのは四つの番号付きの段で、まず気づくべきは、 そのどれもトルクの数値から始まっていないことである。

  • 問題となる呼び径、長さ、等級、ロットのボルトとナットの組立体五組をボルト軸力測定装置に取り付ける。回される側の要素の下の材料は実際の取付けと同じでなければならない。構造用鋼か硬化座金である
  • それぞれをまず規定導入軸力のおよそ 15 パーセントまで締め、続いて規定の最小値まで導入する
  • トルクレンチを当て、記録する量はナットまたはボルト頭を相手部品に対して五度回すのに必要なトルクである
  • 仲裁トルクは、最高と最低を捨てて残る三つを平均したものである
  • そのトルクを、争いのある各継手で無作為に選んだ組立体の十パーセント、ただし二組を下回らない数に加える。何も回らなければ、その継手は合格とされる

つまりその数はその日に作られる。実際のロットのボルトを使い、実際と同じ材料の下で作り、 そして継手に投げつける。 それはボルトの性質ではなく、あらかじめ表に印刷しておけるものではない。

三つの小さな計算。当方のものであって仕様書のものではない。 五つのうち最高と最低を捨てて残りを平均するとは、 標本の四割を捨てることである。 五度は本文で「およそ十二インチ半径で一インチ」と注記されており、 十二分の一ラジアンは 4,77 度であるから、 括弧の中の定義は、それが説明している数より約四・五パーセント小さい。 そして「十パーセント、ただし二組を下回らない」とは、 ボルトが二十本未満のどの継手でも、その下限のほうが効くということである。

方向は締付け方向である

ここが問いに対して語る部分だ。 第二段で記録されるトルクも、第四段で加えられるトルクも、明示的に 締付け方向である。 この文書化された手順は、緩め方向のトルクを一度も測らない。

測っているのは、さらに進むことへの抵抗である。 適正に導入軸力を与えられたボルトは仲裁トルクで五度も動かず、緩んだものは動く。 この試験が問うているのは「そのボルトがどれだけ締まっているか」ではない。 正しく取り付けられたものなら越えないはずの閾値を、そのボルトが越えられるかどうかである。

それは緩め方向の測定が答える問いとは別であり、 この違いは効く。継手を緩め始めることと、さらに締め込むことは対称ではないからだ。 トルクと軸力がどちらの方向でも相関に乏しい理由を本サイトは通っている。 ある鋼構造の仕様書は 正負四十パーセントの変動を根拠に 1954 年に自分のトルク表を撤回したし、 動力工具の規格は 静的な残留トルクの測定は継手の状態との相関に乏しいと明言する。 どちらもここでは繰り返さない。

解説は欠けているものを並べる

たいていの仕様書は手順を書き終えたらそこで止まる。 この一つは振り返って、それを信用しすぎない理由を項目にする。 まずこの仲裁がトルク制御による取付けの不確かさをすべて引き継ぐと述べ、 続いて、トルクと導入軸力の関係を押さえるための 多くの管理が欠けているために信頼性がさらに下がるとし、三つを名指しする。

(1) 硬化座金の使用
(2) 潤滑への注意深い配慮。そして
(3) 時間の経過と、取り付けられた状態での曝露がもたらす影響の不確かさ

さらに、多くの場合その仲裁トルクは 「代表的であると仮定するほかない」ボルトから、 あるいは完成した継手から取り外したボルトから作らざるをえないと付け加える。 そして、この頁の冒頭にある一文が来る。 両方向の誤りについて、仕様書が印刷しうるかぎりもっとも率直な認めかたである。

もう一つ持っておきたい規定がある。 時間が経ち、曝露を受けたあとに導入軸力を検証する必要があるなら、 その状況に適した別の仲裁手順を用いること、と節は述べる。 四つの段は新しい継手をめぐる争いのためのものであって、古い継手の点検のためではない。

正確な方法は緩め方向の測定であり、ボルトを使い切る

解説は続いて、代理量ではなく導入軸力そのものが欲しいときにどうするかを述べる。 超音波式の伸び計、あるいはボルト長さの変化を測れる機械式のものは、 「実際の導入軸力についてきわめて正確な測定を与えうる」

そのやりかたはこうだ。 「この方法は、ナットを解放する過程でのボルト長さの変化を測ることを含む」。 そこに、取り外した組立体の荷重較正か、 測定された弾性的な戻りに対応する力の計算のどちらかを組み合わせる。

つまり、唯一緩め方向を見るその方法は、 手を離すことでボルトを読む。 そして帰結はすぐ後に書かれている。 「解放した締結組立体の再取付け、または交換用の締結組立体の取付けが必要である。 この必要な解放は、伸び計を検査の道具として直接用いることを、 もっとも重要な場合に限るべきことを示唆する。」

正確な答えの代価は、尋ねた対象そのものである。 解説は、トルクを十分ゆっくり加えて元の伸びを回復できるのでないかぎり、 再取付けが交換を強いるかもしれないとまで述べる。 この一段落が問題全体の形である。 安いほうの測定は向きが逆で、しかも自ら信頼できないと認められており、 信頼できるほうは破壊的である。

持ち帰る点

  • 取り付けたボルトを事後に仲裁する手順は文書化されている。要求ではなく許可であり、検査が疑いを生じたあとにかぎる
  • 仲裁トルクはその日に作られる。問題のロットの五組を、現場と同じ材料の下で。調べて出すものではない
  • ナットまたは頭を五度動かすのに要するトルクであり、規格はそれを十二インチ半径で約一インチと注記する。当方の計算では 4,77 度
  • 最高と最低を捨てて中の三つを平均するので、標本の四割が捨てられる
  • 測定も試験も締付け方向。この手順は緩め方向のトルクを一度も測らない
  • 継手の十パーセント、下限は二組。二十本未満では下限が効く
  • 解説は事後試験に欠けている管理を三つ名指しする。硬化座金、潤滑への配慮、時間と曝露の影響である
  • 仕様書は、この手順が良いボルトを退け悪いボルトを受け入れうると述べ、最も実行可能なものとして提供する
  • 正確な代替法はナット解放時の長さ変化を測り、そのあと再取付けか交換を要する

問いは、なぜ緩めながらトルクを測るのか、だった。 この業界のこの一角からの文書化された答えは、彼らはたいてい測らない、 受け入れられている確認は逆向きに押す、 そしてそれを定める文書は、それを測定と取り違えられるくらいなら 自分の限界を告げるほうを選ぶ、である。

この記事は六つの手順のどれか一つには収まりません。手順をまたいで出てくるか、組み付けたあとに出てくる話です。ここに行き着く判断がどこで下されているかはねじの決め方にまとめてあります。

よくある質問

すでに取り付けたボルトを確かめる標準的な手順はありますか。

鉄骨のボルト接合にはあり、仕様書の仲裁の節に書かれています。導入軸力の与えられた継手やすべり限界継手のボルトが適正な導入軸力をもたないと検査後に疑われた場合に適用され、そのときですら要求ではなく許可です。

仲裁トルクとは何ですか。

調べて得るのではなく試験で作る数です。問題の呼び径、長さ、等級、ロットのボルトとナットの組立体五組をボルト軸力測定装置で導入軸力まで締め、回される側の要素の下の材料は実際の取付けと同じにして、ナットまたは頭を五度回すのに要するトルクをそれぞれ記録します。最高と最低を捨て、残る三つを平均します。

それは緩めながら測るのですか。

いいえ。標本に対する測定も継手に対する試験も、締付け方向と明記されています。この手順が記録するのは、すでに導入軸力の与えられた締結具をさらに進めるのに要するトルクであって、緩め始めるのに要するトルクではありません。

何本のボルトが試験されますか。

争いのある各継手で無作為に選んだ組立体の十パーセント、ただし二組を下回らない数です。当方の計算では、ボルトが二十本未満の継手では下限のほうが効きます。仲裁トルクで何も回らなければ継手は合格、何かが回れば継手の全ボルトが試験されます。

この手順はどれくらい信頼できますか。

仕様書自身が答えています。解説は、この仲裁が正しく取り付けられた組立体を誤って退け、正しく取り付けられなかったものを受け入れうると述べ、この手順は「その限界にもかかわらず」現時点で最も実行可能なものとして提供されている、としています。

事後の確認では何の管理が欠けるのですか。

解説は三つ名指しします。硬化座金の使用、潤滑への注意深い配慮、そして時間の経過と取り付けられた状態での曝露がもたらす影響の不確かさです。また仲裁トルクがしばしば「代表的と仮定するほかない」ボルトや、完成した継手から取り外したボルトから作られざるをえないとも述べます。

もっと正確な方法はありますか。

解説は、超音波式または機械式の伸び計でボルト長さの変化を測る方法を述べ、それが実際の導入軸力についてきわめて正確な測定を与えうるとしています。測定はナットを解放する過程で行われ、そのあと解放した組立体の再取付けか交換品の取付けが必要です。

その方法がふだん使われないのはなぜですか。

解放が要るからです。解説は、この必要な解放が、伸び計を検査の道具として直接用いることをもっとも重要な場合に限るべきことを示唆すると述べ、トルクを十分ゆっくり加えて元の伸びを回復できるのでないかぎり再取付けが交換を強いるかもしれないとしています。

古い継手にも当てはまりますか。

四つの段は古い継手のために書かれていません。節は、完成した継手が時間の経過と曝露を受けたあとに導入軸力の検証が必要なら、その状況に適した別の仲裁手順を用いるべきだと述べます。その手順が何かは述べていません。

参考資料

2020 年版の仕様書は全文をダウンロードし、第 10 節とその解説を全段読んだ。引用箇所は、それらが占める二つの印刷頁を画像に起こして目で照合した。本サイトがこの文書を使うのはこれで四度目である。手締めの定義継手型式の違い沿革の解説に続く。第 10 節はその三回のいずれでも触れていないし、それらの頁の内容もここで繰り返していない。次の各項は当方の計算であり、仕様書の記述ではない。十二インチ半径での一インチが 4,77 度であり、したがってそれが注記している五度より約四・五パーセント小さいこと。五つのうち最高と最低を捨てることは標本の四割を捨てることであること。そして十パーセントに対する下限二組が、ボルト二十本未満の継手では効くこと。Table 5.2 とその導入軸力の値は、同じ文書を用いた以前の頁と同じく、ここでも意図的に引用していない。第 9.1 から 9.3 節は、何が仲裁を引き起こすかを確かめる範囲までしか読んでおらず、その検査方法は要約していない。この節が参照する第 8.3.2 節の解説、すなわちトルク制御による取付けの不確かさは、本サイトが七つの変数として別に引用した箇所である。この頁は検査、締付け、合否の助言を与えない。解説は適した装置を製造する会社が複数あると述べているが、この頁はどの社名も書かない。緩め方向の測定に価値があるかどうかについても立場を取らない。問いは、本サイトがふだん使う掲示板の道具ではなく、公開されている整備の質問サイトから取った。その道具は依然として使えない。読んだのは問いであって回答ではなく、この頁に利用者名は現れない。

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仕様が、当社が供給した部品についてではなく、取り付けられた継手について 証明することを求めているなら、それは別種の義務であり、 紙の上で切り分けておく価値があります。 条項をそのままお送りください。締結部品そのものについて当社が示せることと、 現場で別の誰かが測らなければならないことをお伝えします。

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