タッピン、盛り上げ、ドリルねじの選び方:先に問うのは母材です

先に結論を書きます。この種類の違いは、頭の形でも材質でもありません。 めねじがどこから来るかです—— 最初からある、切られる、押しのけられる、あるいは穴まで自分で開ける。 この一問が、切りくずが出るか、トルクの窓がどれだけ広いか、 そして繰り返し外せるかを決め、その三つがそれぞれ現場の失敗に対応します。 母材と穴の状態を先に確かめれば、選定はほぼ決まります。

切りくずは清掃の問題に見えて、たいていはそのとおりです

切削式は切りくずを出します。台の上に落ち、吹き飛ばされ、そして誰も思い出しません。 これを清掃として扱うのはもっともなことです。 多くの人が扱う部品では、実際にそれは清掃でしかないからです。

ラインには処理の手順まであり、その解釈をさらに強めます——切りくずは、あとで片づけるもの。

しかし密閉された組立のなかでは、その切りくずは台の上に落ちません。

あとで吹けばよい——そのときには、もう中に入っています

カタログの名前はいったん脇に置いて、一つだけ問います。 ねじ込むとき、めねじはどこから来るのか。

これは二番目の問いで、一番目ではありません。 何にねじ込むかが、そもそもどの答えが選択肢に残るかを決めます。 だからこれらの決定には決まった順序があるのです—— 母材、ねじ、頭の形、駆動、表面処理、文書。 母材が決まる前に型式を選ぶのは、まだ絞り込まれていない一覧から選ぶことです。

めねじの出どころが、ほかのすべての違いを決めます
型式めねじはどこから切りくず前提
小ねじ最初からある(ナットかタップ穴)なし先にタップを立てるかナットを用意します
タッピンねじ切られるあり下穴が要ります
盛り上げタッピンねじ押しのけられる(材料の塑性流動)なし下穴が要り、しかも径の窓が狭い
ドリルねじ切られる。しかも穴も自分で開けるあり板厚が先端の適用範囲に入ること
切削タッピンねじ切られる(先端の溝が刃になります)あり下穴が要り、硬いか厚い母材に使います

「切る」か「押しのける」かが、この表で最も重要な欄です。 切りくず、ねじ込みトルク、そしてめねじの壊れ方を同時に決めます—— このあとの三つの節は、すべてその欄から伸びています。

切りくずは清掃の問題ではなく、信頼性の問題です

切削式はねじ込みの最中に金属の切りくずを出します。構造部材では清掃の工程で済みますが、 電子、光学、精密機構では、その切りくずが組立の内側に残ります—— レンズの上に落ち、レールに噛み、通電後に短絡の経路になります。

盛り上げ式は材料を削り取らないので、切りくずが出ません。 代償はねじ込みトルクが高いこと、そして母材の塑性流動でめねじを作るため、 下穴の寸法に切削式よりはるかに敏感なことです—— 穴が大きければ山が浅く、小さければトルクが跳ね上がります。 下穴の決め方は別の頁にあります。

ドリルねじの前提:先端が穴を開け終えてから、ねじが噛むこと

ドリルねじは穴あけとねじ立てを一動作にまとめ、工程を一つ省きます。 ただし、よく飛ばされる前提があります。 先端は、ねじが噛み始める前に板を貫通していなければなりません。

  • 板が薄すぎる:貫通する前にねじが噛み、板を押し離すか穴を歪めます
  • 板が厚い、または硬すぎる:貫通の前に先端が摩耗し、焼きが戻り、あるいは折れます

ですからドリルねじを選ぶ前に、板厚がそのねじの先端の適用範囲に入るかを確かめてください。 その範囲はカタログでは穴あけ能力と呼ばれ、 つかみ範囲とは別の数字です。 範囲は先端の長さと形式で変わるもので、 「ドリルねじなら鉄板は開く」という通則ではありません。

繰り返し外すなら、最初の締付けで作られためねじに頼らない

タッピンと盛り上げ式のめねじは、最初の締付けのときに作られます。 外して締め直すと、ねじは必ずしも元の山の道をたどらず、 毎回いくらか削れます——回数が重なれば締まらなくなります。

繰り返し分解する場所では、小ねじとナット、またはタップ穴のほうが確かです。 めねじが独立して作られているので、単独で管理でき、単独で交換できます。

どうしてもタッピンか盛り上げ式を使うなら、 繰り返し回数の上限は実際のサンプルで測ってください。推定しないでください。 樹脂の設計指針の一部は、限られた回数の再組立にはむしろ盛り上げ式を勧めています。 作られた山の道に戻りやすいからです—— これはこの型式について広く流通している説の一つで、 規格が実際に書いていることとは違います

選ぶ前に答える五つ

  • 母材は何ですか。鋼板、アルミ、鋳物、樹脂、木材——これを先に答えると選択肢は半分に減ります
  • 穴はもうありますか。タップ済み、下穴だけ、まったく無し
  • 切りくずは許されますか。許されないなら、切削式はその場で外れます
  • 何回外しますか。一桁を超えるなら、小ねじの方向に考えます
  • 板厚はいくつですか。ドリルねじはとくにこれに依存します

この五つの答えをいただくほうが、品名を一つ指定されるよりはるかに役に立ちます。 品名は前の案件から引き継がれていることが多く、前の案件の母材は違うかもしれません。

この記事は手順 1、相手材を扱います。全体の順序は相手材、ねじ、頭部、駆動部、表面処理、書類で、これを崩すと微調整ではなく手直しになる理由はねじの決め方にあります。

よくある質問

タッピンねじと盛り上げねじの違いは何ですか。

めねじの作り方です。タッピンねじはめねじを切るので切りくずが出ます。盛り上げねじは材料を塑性流動させて押しのけるので切りくずが出ません。代償はねじ込みトルクが高いことと、下穴の寸法に対してはるかに敏感なことで、穴が大きければ山が浅く、小さければトルクが跳ね上がります。

切りくずはなぜ問題になるのですか。

構造部材では清掃の工程で済みますが、電子、光学、精密機構では切りくずが組立の内側に残るからです。レンズの上に落ち、レールに噛み、通電後に短絡の経路になります。密閉された組立では台の上に落ちてくれません。切りくずが許されない場所では、切削式はその時点で選択肢から外れます。

ドリルねじはどんな板厚でも使えますか。

使えません。先端がねじの噛み始める前に板を貫通している必要があります。板が薄すぎると貫通前にねじが噛み、板を押し離すか穴を歪めます。厚すぎるか硬すぎると、貫通前に先端が摩耗するか、焼きが戻るか、折れます。カタログの穴あけ能力を確認してください。つかみ範囲とは別の数字で、先端の長さと形式によって変わります。

何度も外す場所にタッピンねじを使ってよいですか。

勧められません。タッピンと盛り上げ式のめねじは最初の締付けで作られ、締め直すたびに元の山の道をたどるとはかぎらず、毎回いくらか削れます。繰り返す場所では、小ねじとナットまたはタップ穴のほうが確かです。めねじが独立して作られているので、単独で管理も交換もできます。どうしても使うなら、回数の上限は実際のサンプルで測ってください。

お問い合わせ

どの型式を使うべきか決めかねていますか。 母材、板厚、穴の状態をお知らせいただくか、いま使っている現物を一本お送りください。 あなたの条件での各型式の取捨をお返しします—— 当社が勧めないものも含めて。

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